「自己満足って言うけど、あなたのその自己満足のおかげで、あたしはダンに会えた」
6巻で描かれなかった時間軸を穴埋めする『嵐の後』。ダンの息子であるジェームズがルゥを探しに行きたいと言い始めるエピソード『宇宙一不幸な男』の2編を収録。
『嵐の後』では、ダイダロス・ワンからリィ達が逃げる時の状況が追加されていたりしますし、ケリーの身元確認のために連れてこられていた「関係者」とジャスミンが再会してるシーンも入ってます。
四十年が経っていても、昔なじみをしっかり見抜く目を持っている辺りは流石ですね。
ダンも鉢合わせてヘレンやプリスティンに正体を見抜かれてましたから、女性陣の目が鋭いと言うべきか。
しかし、ガイアへのフリーパスであるケリーが帰還してくれたことで、説明がスムーズに済んだように。今回と同様の事例が起きてないか調べる為に、統合管理脳ことゼウスの助力を求められるジャスミンがいてくれたのは本当にありがたかったですね。
良いタイミングで帰って来てくれたものです。
一方、パラス・アテナ内部でのリィたちのわちゃわちゃ具合も楽しかったですね。負傷したリィがレティシアを栄養食扱いしてるのは、さすがの野性っぷりと思いましたが。その後、まさかのお菓子作りを始めたのには驚いた。
実際、美味しそうな品が出来て呆然としてるファロット三人の様子が本当に笑えましたねぇ。リィを知らない怪獣夫婦とダイアナからすると、その反応こそ分からないみたいでしたけど。
後は、シェラが披露した謎の力。『月』としての力の現れでしたけど、普段は『太陽』と『闇』が強いから表に出てこない、という設定にはなるほどな、と思いました。
しかしそれだと、使う練習とかできそうになくてそれはそれで大変なのでは。そうなんども二人が動けない状態にはなってほしくないですけどね。
『宇宙一不幸な男』に関しては、ルゥを諦めきれないジェームズのために一芝居を討つ話ですけど。思わぬ着地をしてダンの胃にダメージ入ってて笑えました。