「けどな、毎度毎度やらかすのは勘弁しろ」
「……なるべく考慮します」
悠利の料理にメンバーがどんどん骨抜きにされてる感じがしますねぇ。
彼、料理のバリエーションが豊富だし、女性親族との付き合いでいろんな知識を身に着けてるので、その辺の情報をぽろっと零したりしてるし。
ここはスキルやジョブがある分、それに縛られてしまうこともある世界で。
料理の技能を持つ料理人が腕を振るう店で、製菓技能を得た娘は活躍の場を逃していて……悠利がパティシエと評して、鑑定したら職業「パティシエ」って出てましたが。
やけにこの世界、食材の名称とかに地球世界との共通項が多いですけど、知られていなかった職業を悠利が見いだしたとかなると、彼の最上位鑑定スキルがなんか作用してないか……とか穿って見ちゃいますね。
まぁ、そうやって「一芸特化の職人である」という武器を手に入れた事で、活躍できるようになったので、良い事なんですけどね。
人気が出た後、人気が出過ぎて大変と言ってる人に、「スイーツバイキングはどうですか?」とか提案してるし。この世界の食文化を大分変えてってるよなぁ、悠利。
鑑定スキル駆使してカレー調合できるスパイス見つけて、食べたいからパン屋と協力してカレーパン作ったり。錬金窯という特殊なアイテムを使って、調味料作ったり。悠利が好き勝手してますけど、生き生きはしてるからいいかな……。