「私、神様は信じていません。祈っても、祈っても、助けてくれませんでしたし。でも」
(略)
「貴方との出会いには心からの感謝を。貴方は私にとって――『光』そのものです」
アレンは冬に帰れなかったのもあって、ついに義妹のカレンと実家に帰ることに。
ただ、彼の所在に敏感な女性陣がそれを黙って見送るはずもなく。理由を付けて同行してる辺りは相変わらずでしたねぇ。
人族でありながら狼族に養われているアレンの存在を快く思わない連中が居て、絡んでくるのもまぁ予想出来たことではありますが……あまり気持ちの良い物ではないですねぇ。
トネリ君が絡んでくるのには、カレンに言い寄ってるからアレンが邪魔ってのもあるでしょうけど、相手の大事な人を尊重できない時点で失格でしょ……。
恋愛絡み以外でも、獣人族の族長って名目上ではあるけど血によって継がれるものではなく、「罪人以外の獣人が乗ってるリスト」から選抜されることになってるそうですが。
アレンを家族と思っていても、そのリストには載せてないだとか、柵に縛られまくってる感じが凄い。
一応、過去に獣人の子供が人間の貴族に殺され、その責任を追及しきれなかったという事件があって、因縁となってるという下地もあるみたいですが。
良い人も多いけど、面倒事も多いし……アレンの卑屈さの原因、その一つを見た気がしました。
アレンの故郷だけでも種族間の面倒事があるというのに、その上更に貴族間でのより根が深そうな問題の気配まで漂っているとなれば、ちょっと天を仰ぎたくなっても仕方ないと思います。
ヒロイン達が可愛いのはいいんですけど、身分が高い分責務も付き纏っているわけで。つまりこれから対処しないといけない問題の規模がさらに上がりそうな予感。こわい。