「……だらだら歩いてたってダメだ。やるなら走らなきゃ」
(略)
「今、行きます。僕も『銀の天秤』のメンバーだから」
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで11月30日まで。
小説家になろう書籍化作品。WEB未読。
この世界にはスキルと呼ばれる特殊技能があり、スキルオーブを使うことで習得することが出来る。人は全てスキル枠を8つ持ち、強力なものほど多くの枠を占有することになる。
主人公はスキルオーブを採掘する鉱山で働く奴隷で、歳の近い相手と姉弟の様に過ごしていたが……。
ある時、6つ星という破格のオーブが見つかったことで、鉱山が荒れることになります。
領主が視察に来たと思ったら、崩落事故で亡くなり……それによって、奴隷たちを縛っていた契約魔術が失われ、暴動が起きて。
その混乱の中で、主人公は自分が異世界転生したことを自覚。さらに、前世と今世の2つ分スキル枠を持っているため、枠を10個も埋める常人には使えないオーブを取り込むことまで出来た。
そして逃げ延びた彼でしたが……逃亡奴隷であるという身分、忌まれる黒髪黒目の容姿などがあって、街にも入りにくい有様で。
ただ縁に恵まれて、それぞれの理由で嫌われる要素を抱えた冒険者たちの庇護を得て。そのまま平穏な暮らしに落ちついてくれれば良かったんですけどねぇ。
いくつものトラブルに見舞われた彼が、それでも前に進もうと決意する。そんなお話でした。外に出てからのファーストコンタクトが『銀の天秤』の面々で本当に良かった。