「礼とか言うの、やめろよ。俺は何もしてねぇ。ただお前を斬っただけだ」
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで1月31日まで。
なろうからの書籍化だったんですが、作家さんが退会されたのでサイトでは読めなくなってますね。掲載当時に読んでたので懐かしくなりました。
所属していた傭兵団が壊滅し、冒険者になったロレン。
魔族の神官ラピスとの縁が出来た彼は、故あって彼女に借金を負っていて。催促はしないと言われてはいるものの、後回しにするのも不誠実だと依頼を受けることにしてましたが。
……ロレン、前回の冒険で武器を失ってるんですよね。デカい獲物を振り回せる筋力があるので、素手でもある程度対処できそうですけど。
というか実際対処しましたけど。なんである程度安全だろう薬草採取で狼と遭遇して、それを素手で撃退するんですか。魔族なラピスが突飛なのはある程度当然としても、ロレンもおかしいとこばっかりですよねぇ。
当然採取にはラピスも同行していたわけですが、そこで二人は意識を失った少女を保護して。
ギルドに引き渡した後、しばしの待機をお願いされたりする一幕も在りましたが。どうやら彼女は近隣の有力者の子女らしく、送り返すための人員を派遣することに。
ランクが低い二人は本来受けられない依頼でしたが、前回知り合ったチャックに推薦してもらうことで潜り込んで。
それを良く思わない人も居ましたが……特に突っかかってばっかりのクラース君はもうちょっと落ち着いた方がいいというか、周囲に敵を作る生き方してるなぁとは思いました。
ロレンに仲間を助けてもらった後は態度が多少マシになったりもしてましたが。それにしたって初対面がアレだからなぁ。
街に向かう道中からして不穏な事件が起きて、近づくにつれて規模が大きくなって。目的地こそが、その異変の中心だったために厳しい戦いを強いられる羽目になって。
それでも抗って生き延びたロレン達はお見事でした。まーたロレン入院してましたけど。
巻末には幕間で「とある神官の手記より」としてラピスの心情を日記風に補足。
ロレンの存在をありがたいと思っているからこそ、行動を共にするって約束をした。そのためには借金で縛ることもするけど……当人的にも、あまり良くない手だって自覚はあったみたいですね。
いっそのこと全部打ち明けて、専属の契約結ぶなりした方が外面はよかったのでは。今の借金も催促無しで装備なんかもラピスの持ち出しだったりするので、中身も似たようなものですけどね。