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「傭兵ってのはな、一度雇われりゃ、雇い主が裏切らない限りは自分から裏切ったりしねぇもんなんだよ」

「今は冒険者ですけどね」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで131日まで。

前回の報酬としてラピスの探し物を貰った関係で、差し引きでロレンの借金が減らされたとか。利息・催促無しという冗談みたいな条件の借金が、普通じゃない事は察しており、ラピスが自分と一緒に居るための理由にしてるんだろうなと言う所まで分かるあたり、ロレンも馬鹿じゃないんですよね。

ただ斬風の異名を自分のものと思ってなかったり、ラピスが傍にいる理由がロレンが便利だからってだけじゃないのには気付かなかったり、鈍い部分があるだけで。……じゃあダメか。もう少し頑張りましょう。

 

毎回規模の大きい事件に遭遇し、生還しているロレン達。

情報を持ってきてくれるのはありがたいが、彼らの階級が最下級の銅であるっていうのが問題になって。名札だけみて判断するような人ってのはどうしてもいるわけで……。

だからこそ、黒鉄級への昇格試験を受けて欲しいという相談がギルド職員から持ち込まれることに。

 

一応、最近周辺が騒がしいから冒険者の底上げを図る意味でロレン達以外にも昇格を勧めたりしてはいるようですけどね。

わざわざラピスがいないタイミングで話を持ってくるあたり、この受付嬢は良くわかっていらっしゃる。懸念していた事、場合によっては起きてましたからね。

 

ある程度の腕があるのを確かめるため、先輩冒険者と戦うことになって。そこにクラースを連れて来て、ついでに仕置きしようとするあたり受付嬢も強かです。

……まぁ、そこまで利用されてやる云われも無いわけで、即席の賭けを始めるラピスは流石。昇格試験の話を聞いた後、条件を出来るだけ引き上げようとしたときには、もうちょっと自重しろって思ったものですが。ここで賭け持ち出したのには笑ったので、ラピスは今のままで居て欲しいですな、いっそのこと。

 

ただ試験を受けてたはずだったのに、そこに乱入してきたうえで依頼を持ち込んでくる存在がいて。それが吸血鬼の神祖だっていうんだから、なんというか2人の内どっちかそういうの引き寄せる運持ってるでしょうと言いたくなる。
厄介な依頼ではありましたが、それでも生還したあたりはお見事でした。ロレンの師匠にあたる傭兵団の団長がおかしな知識持ってるってのは気にかかりますが、再会は遠そうだなぁ。

巻末は恒例のラピスの手記。
彼女と同じように人族の街に紛れ込んでる魔族の男性から「男の趣味が悪いね」と言われたものだから、追いかけてぼっこぼこにしてゴミ箱に叩き込んだとか言う物騒な書き出しからスタートしておいて一般的な魔族を名乗るのは厚かましいのでは……?
でも、ロレンを低く見られて怒るあたりはグッジョブ。ただやりすぎないで……。