「私達は一人だけじゃ、ただ強いだけよ。でも!」
(略)
「二人なら無敵だわ。今までも――これからも! ね? そうでしょう?」
無事に帰還したあとアレンは病室に押し込まれて。
彼自身は復興に手を貸したがってたみたいですけど、周囲は強制的に休まれることにしたようです。正しい。
……まぁそうやった時間が空いたら空いたで、優秀な教え子たちに与える課題の準備をする辺りがあまりにも彼らしい。休み方をご存知でない?
ヒロイン達も帰還したアレンの側で変わらず想いを募らせているというか。思わず彼シャツ(彼ではない)しちゃうステラとか、この騒動の中で制帽を失くしたけどアレンのおさがり貰えることになって上機嫌なカレンとかが特に可愛かったです。
彼らしいと言えば、『アレンを助けて欲しい』と言われて駆け付けた西のお歴々に対してもそうですよね。自分で脱出してきたから、誓約を果たせていないので代わりの願いを言え、と言われて周囲の成長を促す一助にしようとするあたり筋金入りです。
オルグレンに引導を渡すために一人で背負いこもうとしてた後輩、ギルに手を伸ばす辺りもそうですけど。慕われるわけだ。
後、別の後輩宛ての手紙の中ですがあなたが一般人を自称するのは、流石に無理があるでしょうアレン。
それまでの行いによってかつての英雄に与えられた称号『流星』の名乗りを許されて。西の人々から物言いがつきましたが、実力を示して認められたのは良いですねぇ。
抱えていたものの一部でも次代に託せた彼らの姿は、とても美しいと思いました。
そうやって綺麗にまとまったかと思ったら、アレンは秘密裏に呼び出しを受けて。
王太子殿下、アレンを新しい英雄として認めてその為に王都の掃除をしてるわりに、本巻終盤ではアレンを召喚して貴族に詰問させてるし、なにを企んでるんでしょうね。
アレンが彼の眼に知性を見てますし、これも膿を出すための工作の一環だったりするんでしょうかね。