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「僕は、リコリスのことが好きです。きっと、これからもっともっと好きになると思います。この僕を、そして今の言葉を、信じて貰えませんか?」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで1231日まで。

第三章「蜂蜜の月」、第四章「失敗の味」と描き下ろし「ある春の一日」を収録。

リコリスという婚約者を得ることになったペイス。会話で逃げ道を塞がれたではありましたが、彼女自身に不満があるわけでもなく。

 

リコリス嬢の方は女の方が45歳年上なこととかを含めて、困惑したり嫉妬してしまったりする場面もありましたが。ペイスが上手く話しを纏めてくれたのでほっとしました。

ちょっかい出して来たレーテシュ伯にしっぺ返ししてるのも彼らしくて好き。

騒動の中、おまけとしてコピーした前回敵対した傭兵の掘削魔法で巨大な貯水池作ってのけて「てへっ」ってやってる挿絵とかもいいですよね。彼らしさが出てる。

暴走しすぎだと父親には怒られてましたし、実際計画外の事突然やられたら当然とも思いますが。領地の利益になってるのが難しい所。

 

三章で婚約者との仲を深めた後の四章は、領地開拓編ですね。

ペイスのやることなので、また突飛と言うか。荒れた領地であるはずの故郷で、砂糖を作ろうって言うんだから、目標が高いというか。まぁ、彼の目標は砂糖を確保した上での製菓なので、それが成功した所で道半ばですがね……。

 

途中戦争が始まって、仕入れるハズだった山羊を他所に取られて。舐められないためにしっかり反撃してる辺りも、ちゃんと貴族として動いてて世界観しっかりしてるなぁって思いながら読んでます。

ちゃんと縁ある家への救援も行って、その報奨を搦めてるってのも嫌らしくも有効な手でしょうし。

 

巻末のある春の日は、害獣が現れたから駆除しましょうという話。

言葉にすると簡単ですが、逃げられないようにするため山狩りをしなくてはならず、今までは人手不足などからできなかった。けれど、今なら出来る辺りにペイスの功績を感じる。