「さぁ、始まりだ。よく見ておけ、我らの剣が――久遠神通流がいかなるものであるのかを」
ワールドクエストによって王都に襲い掛かってくる悪魔たち。
四方に主要なギルド・人員を配置しそれぞれの方角で奮闘することになってましたが……アルトリウスがクオン引き抜いて、緋真とは別行動になるんですよね。
そのアルトリウスとの打ち合わせで、死期能力もある彼がクオンに合わせて動くと宣言したかと思えば、クオンの方は「敵中に踏み込んで指揮官暗殺するわ」と、VRMMOで無双ゲー始めようとするし、どっちも頭のネジ何個か落としてそう……。
いや、結果だけを見ればお互いしっかりと言ったことは成し遂げてるんですけど、どこか歪んで見えるというか。高すぎる山の頂は麓からうかがい知れないもんだなぁというか。
ゲームとはいえ、戦場で生まれた術理を、悪魔の軍勢相手に過不足なく振るうのであれば。なるほどそれは脅威でしょう。……あそこまで実践できるのがどこまで居るかと言うとアレですし、どちらかと言うとリアルチートと評した方が近そうですら弟子ありますが。
地に塗れて目が光った挿絵、正直怖いよクオン。
東で大暴れして大将首取った後、別方向担当していた弟子の援護までしちゃうし、大軍相手に無双して、一騎当千を実践してしまう辺り活躍しすぎてて笑うほかない。
WEBで途中まで読んでるので知ってたアリシュラの活躍エピソードが書き下ろしで入ってたのは嬉しかったですねー。後書きでも再登場は先って書かれてますが、これがあるのとないのとでは印象違ってくるでしょうし。
緋真が相対した悪魔との相性が悪くて苦戦し、師匠に助けられることになったり。そうでなくても、師匠をゲームに誘って以降微妙に置いてかれてた残念な部分もありましたが。
才能と言う意味では、飛び抜けているそうですね。あのクオンが直接指導できる唯一の直弟子として認めてる時点で、それはそうか。
その彼女をしてまだまだ遠い師匠クオン。でも、背中を追うのをやめるつもりがない辺り、似た者師弟って感じがしますなー。
今回はワールドクエストの戦闘と、報奨発表で終了。一冊丸々使っただけあってクオンが暴れまくって気持ちいい巻でしたね。