「これは占いじゃなくて私の直感なのだけど、君、これからこの国の根幹に関わることになると思う。それも近々。君の決断ひとつで、国が一つ滅びもするし、繁栄もする。とんでもない星の下に生まれたっぽいね。気を付けなよ」
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで12月31日まで。
二十一章「飴細工は驚きを伴って」、二十二章「詐欺師は焼き菓子と共に」。書き下ろし二十二.五章「女難の相は星占いと共に」、電子SS「塩飴を崇めよ」を収録。
保管庫にペイスが作った水飴が置かれていて、彼の作る料理が美味いと知っているからって手を出す従士よ……甘味で暴走するペイスの試作品とか、手を出したくないけどなぁ。それは勇気じゃなくて蛮勇って言うと思う。
王都で職務を遂行している父カセロールの馬車が襲撃されたという一報が入ったものの…馬車を前に武器を抜いた後逃げたという奇妙さで。
不自然なものには理由がある。今回は外国からの干渉である可能性が高く、舐められたままに出来ないが、下手に手を出すとそれが戦争開始の合図になりかねない。
悩んだ末にまさかのくーちゃんに助けられるとは。うん、当初の目的通りに武威を示したね……。
二十二章「詐欺師は焼き菓子と共に」は章題の通りに詐欺師が取り入った貴族を通じでモルテールン家に干渉して来る話。
しかし、砂糖が欲しいからって「10年後にこれが流行る!」とか言ってペイスに拙い……どころか不味い菓子を出してくる度胸は買っても良い。
魔法は個々人によって異なる性質を持つため、未来視が出来ます! と言う相手を否定するのって一般人には難しいんですよね。ただ今回敵に回したのは、魔法が使えて菓子に情熱を燃やすペイスだったわけで……手を出す相手を間違えたね。
書き下ろしの二十二.五章「女難の相は星占いと共に」は、二十二章で事態を解決させるために着いたブラフが、妙に信じられてしまって困惑する事になる話。それにもちゃんと理屈をくっつけようとしたペイスはお疲れというか。よく考えつくものだなぁって感心してしまった。
電子SS「塩飴を崇めよ」は熱中症にならないように、ペイスは塩飴も作ってるようですが。それを大事にしたい少年の話。舐めろ。溶けちゃうでしょ!