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「僕に内緒で機密を漏洩させられると思っているのなら、モルテールン家を甘く見ているということです。その代償は、かなり高くつくでしょう。主任にも、そう伝えておくと良いですよ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで1231日まで。

二十四章「綿飴の恋模様」、書き下ろし二十四.五章「リコリス小夜曲」。電子SS「ルミとマルクの悪戯三昧」に巻末おまけコミカライズ最新話(16話後編)を収録。

 

プロローグの「現況把握」で、新人たちにモルテールン領の歴史について教えるシーンが結構好きですねー。今しかしらない若者たちからすると、想像も出来ない過去。僅か5人から始まり、水を確保するのにも困った時代があったとか。

よくそこから村3つ構えるまで体制を作った物ですね、カセロール達は。ペイスが猛烈に加速させて発展してるだけで、親世代も有能なのは頼もしい限り。

人員を確保できたのは喜ばしいものの、モルテールン家には機密にしないといけない情報が多すぎて、教える内容にも注意しなくてはならないとかで大変ですな。

 

まぁ嬉しい悲鳴の類ではあるんですが。ペイスを封じ込めたつもりだった外務閥の人々からすれば、首席をはじめ優秀な卒業生を引き抜かれたのは痛手過ぎて。

排除するよりは味方につけたい。でも、同時に別派閥だから枷も欲しい。そんな思惑から、ただの教師ではなく、教師を教える教導員という役職が割り当てられることに。

 

ただの教師より自由になる時間が増えて、その空き時間で汎用魔法の研究に協力して成果あげちゃうんだから、中央の貴族はペイスを知らなすぎる。

南部に居ながら、情報収集と警戒を怠らないレーテシュ伯爵を見習いなさい。……いや、あんな手強い御仁が増えても困るから今のままでいいや。

一方でモルテールンの悪ガキことマルクとルニも士官学校に通うことになってましたが。ううーん、悪ガキ……。ペイスの影響受けすぎでは、この2人。

 

二十四.五章「リコリス小夜曲」はタイトル通りリコリスメインのお話です。仕事と私とどっちが大事なの! って話ですというと語弊がありますが。

夫婦間の時間が減ってしまって寂しさを募らせてる彼女の話なのは確かですね。姉のペトラに相談……というか愚痴をこぼしに行ったら、逆に愚痴を聞くことになったりしてましたが。

モルテールン家の事情と、瞬間移動が無い他の家との価値観の違いに衝撃を受ける場面もあって。そのあとペイスとの時間があったと思えば、悲しい報せもありましたが。妻の事考えて伝言託したりしてる辺り、中々に熱いですよねこの夫妻。

 

電子SS「ルミとマルクの悪戯三昧」。

士官学校の倉庫に酒があると聞いて忍び込もうとするとか、この2人はもう……しっかり目を向けていて、即座に阻止したペイスは流石良くわかってる。