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「なるほど。そのような経緯があったのか」

「ええ。息子が張り切った……張り切りすぎたようです」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで1231日まで。

二十八章「復活の卵~イースター・エッグ~」、書き下ろし二十八.五章「再誕の卵」。コミカライズ29話、電子SS「卵探し」を収録。

 

様々な功績を重ねて子爵にまでなっちゃったんですって、モルテールン家。ドラゴン討伐まで乗っかったからなぁ……。

ちょうど新年ということもあってカセロールは今年は平穏であって欲しいと願ってましたが。次の見出しが「不穏な啓示」でもう一瞬で不可能になってたのには思わず天を仰いでしまった。

 

教会が軽金を秘匿し続けた中で、龍の素材を集めようとしたこと。それは龍金の登場などで、一度は失敗したようなものですが。それで聖国が諦めるかと言ったら、そんなはずもなく。

さらにモルテールン家で遺された資源を調査していたら、龍の卵らしきものを発見してしまったというんだから大変です。

繁殖期の獣と同じと考えれば、龍が暴走していたのも納得は行く。けれど、卵があるってことは、番の龍が居ることになる。つまりあの森に少なくともあと一匹ドラゴン居るってわけで……。頭痛の種は増えるばかりですね。

 

モルテールン家は注目を集めすぎていて、スパイの博覧会になっている。だから、龍の卵についても隠し続けられると考えるのは楽観的に過ぎる、と王家への献上を決めましたが。

当然敵だって黙ってみている筈もなくて。諜報合戦みたいな感じで、直接戦闘はほぼありませんでしたね。こういう部分もしっかり描いてくれるので、読みごたえがあります。

一時は盗まれて捜索する事態になってましたが、概ね一件落着と言えるのでは。領地に戻った後、イースター・エッグ探しの名目でイベント開催して、色々利益得てる辺りも流石。

 

書き下ろし二十八.五章「再誕の卵」。

盗難事件に際してカセロールは何をしていたのか、に主眼を置いたエピソード。

ボヤ騒ぎの現場を確かめ、検問の要請をして。おとぼけ息子の後始末もやって来て。

龍の卵は無事に神王国に残った。けれど探索に当たっては、他所の協力を得た部分もあって、その事後処理で大変そうでした。お疲れ様です……。

今度こそ取られないように厳重な管理下に置いていたところ、最後に新たな騒動が芽吹くんだから落ち着ける日は遠い。

 

電子SS「卵探し」これはタイトルから分かる通り、作中では終わった後どんな目的があったのかと話されていた「イースター・エッグ探し大会」の様子を描いたSSですね。子供たちが楽しそうで何より。