それもこれもやっぱりDのせいだ!
さっきからしつこいくらい言い続けてるけど、だいたいあいつのせいだ!
ここを生き延びることができたらいつか絶対ぎゃふんと言わせてやる!
完結巻! 後書きによると外伝とか書くかもしれないし、ラストとは明言しないスタンスのようですが。冒頭で引用した、「ぎゃふんと言わせる」エピソードとかいつか読んでみたいですね。
ひとまず本巻で滅びに瀕した世界をどうするのか、という問題には区切りがつくことになります。
相容れぬからこそぶつかった白と黒の神に、システムの中枢がある大迷宮に立てこもった魔王陣営と。魔族も独自に行動して攻め入ってますし、教皇ダスティンだって魔王たちに抗うべく行動します。ダスティンには古龍が味方してるというのも大きい。
既に大きく動き出した状況で、それでもより多くを救える道がないものかと、独自路線を往く決断をした勇者君。この期に及んで青い青い。
でも、彼の行動に共感した古龍が同行する事になって教皇陣営の勢力削れたのは大きいんだよなぁ……。他にも転生者たちのスキルを組み合わせたことで情報を得て、会話する機会を設けられたのも大きい。
最後までそこまで好きになれない位置に居ましたが、先代勇者ユリウスの言葉を胸に道を繋ごうと足掻いた姿勢は、嫌いじゃないです。
システムに限界が迫ったため、魔王たちはそれを崩壊させて人類の半分が滅んだとしても救うことを選んだ。
現状維持に近いダスティン達が勝利した場合でも、滅びは避け得ぬと思っていましたが……彼の腹案がまたとんでもなかったですねぇ。流石に犠牲を強いて存続を選んだだけはあるし、それを継続しようと思う信念だけは評価しても良い。
他にも命懸けで戦う理由はないけど、恩義の分くらいは働こうとする草間くんとか。散々な目に会いながらもそれでも白が憎めない人だったから、白き神陣営に味方する事を決めたフェルミナとか。
古龍を侮らずに切り札を切った鬼君の場面も好きですし、復讐に燃えていたクニヒコ達の結末や苦労人ハイリンスの苦悩とか。
燃える場面も苦笑してしまう描写もありましたが。それぞれのキャラが己を貫こうとするのはとても熱かった。
……まぁ、それすらも邪神Dはゲームの様に楽しんでいたわけですが。それは最初からか。
いやー本当に。徹底的に邪神だったなぁとしか言いようがない結末でしたね。しれっと明らかになったシステム創設時のエネルギー源とかには、流石に絶句しましたよ。
キャラが多いので、その後に関しては2行程度の簡略なものしかなかったですけど、それでも情報があっただけありがたい。……特に気になったのはロナント翁。なんかトンデモないことしてません?
特装版小冊子にはSS3本収録。「魔族学園婚約破棄騒動」はタイトル通り、ソフィアが入学して起きた婚約破棄騒動についてのエピソード。
それに巻き込まれないよう距離を取っていた学生、モブ魔族のモッブ君。ソフィアの目を見てヤバさに気付ける勘の良さは凄い。卒業後兵士になっても、その勘の良さで生き残ってると……いいですねぇ。あの後の戦争の規模、デカいからなぁ。
2本目は「家族模様」。兄を愛しすぎてるスーちゃん視点。重かった。うんある意味では予想通りで、予想以上でもある。最後が「腕試し」。人族との戦争前の時系列で、ソフィアとラースのどちらが強いか戦ってみた話。結果は見てのお楽しみ。
良かったのはBOOK☆WALKER特典のSSですね。本編後について先生視点でちょっとだけ読めます。断片的でも未来のエピソード読めて楽しかった。