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「いったい、こんなの何を想定して使うんだよ! ドラゴンだって余裕だよ!」

(略)

「行ってるだろ。これでも心許ないと。……実際に戦った俺だからわかるんだ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで228日まで。

魔法の師匠であるディアを、争乱から救ったルーグ。とは言え他国の貴族をそのまま匿うのは障りがあるため、ルーグの妹を名乗ることに。

暗殺貴族として必要だからとは言え、抱えてる偽装戸籍の多さよ……。

彼女を14歳として扱うのは、妹の戸籍があったことともう一つ。この国の貴族で魔力持ちの者は、王立の学園に通わなくてはならないという義務が強制されているためだった。

 

能力別にクラス分けするために、試験こそありましたが……。

トウアハーデとして鍛え抜いたルーグと、彼の教えを受けた従者のタルト。おまけに魔法に関して天才的なディアが、生半可な点数を取るはずもなく。

無事に一番良いクラスに入り込んで。トウアハーデの暗殺が必要になるくらい、腐った貴族が居る一方で、それを危ぶむ若い世代も育っていたりと、多少は安心できた感じがします。

 

とは言え、この巻で一番大切なのはルーグが殺さないといけない対象である勇者、エポナとの縁が出来たことでしょう。

エポナは勇者として跳び抜けた力を持っていたものの不安定な部分もあり、同世代のルーグ達には親しくなってエポナの鎖となってほしいなんて依頼が学園長から持ち込まれるほど。

しっかり調査して上手く心の隙間に入り込んでいく辺りは流石のルーグでしたけど。      

勇者の力……というか暴力はなるほど凄まじかったですし。今回は更に別の騒動が重なったせいでエポナの前で切り札の多くを切らざるを得なくなって。

それでも守れたものがあるから後悔はしない、と言うあたり揺るぎ合いなぁ。軸がある主人公好きですよ。