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「ま、仕方ないか。ここまで来たらやるしかないんだし――行こうか、みんな」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで331日まで。

ネームドモンスターを倒したり、中々波乱万丈な日々を主人公たちは乗り越えてきた訳ですが。それでも、この世界が変質してしまってからまだ6日しか経っていないというのは驚きです。密度高いわ。

カズトが得た謎のアイテム「羊皮紙」と「黒い宝玉」を鑑定できる人を探すため、人が集まって良そうな市役所に向かう事になって。

 

学校外で指揮をとっていたものの、学校で生徒会長に魅了されてしまった西野君もその支配下から脱したみたいで、彼の視点とかも交えて物語が進んで行きます。

オークやらを打倒してもアリの魔物が現れたり、岩の巨人が現れたりとトラブルがつきませんね……。まぁ、こんな風に変質してしまった世界では平穏ほど高くつくものも無いでしょうけど。

 

それだけに、カズト達が辿り着いた市役所で見た市長のスキルによって安全地帯が確保されている事はとてもありがたい。

……価値が高いからか、はたまた別の原因かレベルアップの条件がハードル高くて笑っちゃいましたけど。ネームド2種の討伐+時間制限とか容赦ないですよねぇ。

更にはカズトも謎の存在から干渉を受け、そのクエストに協力するように強要される羽目に。

 

一方的にクエストを出して、事情説明もなく持ってても必要ないと羊皮紙を回収していくとか、嫌われる行為フルコンボやっていってますが……。

そうやって干渉できる上位者が、クエスト達成したら質問に答えてあげると保証してくれたのは、悪くはない。

……というか、前提条件が劣悪なんだからそれくらいの報酬はないとやってられないですよね……。いやまぁ、クエスト無視すると仲間ともども耐えがたい恐怖を味わう事になるから、やらないって選択肢はないんですが。

 

カズト達以外にも、この変化した世界で生きようと足掻く人々が居てくれたのは良かったですが……。こんな世界でもなお好き勝手振る舞う輩も居て、どうしようもない面もありますが。予定外な事が起きようと超えていったのはお見事でした。

巻末には書き下ろしで「彼女の独白」として、カズトにクエストを出した女性についての情報が登場してますが……。この事態を引き起こした上位者と認識してましたし、実際に世界そのものに効果を齎すプログラムから生じたらしいので、間違いでもないのでしょう。

ただ、彼女という人格があることはバグの一種っぽいというか、微妙に異変をきたしてるみたいなので今後どう影響してくのかは怖いですねぇ。