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「あなた方にもゆずれない部分はあるでしょう それらを一つずつそぎ落としてこちらの要求を呑ませるのが俺の目的です」

 

ロレッタが風呂場で、ドライアドのホーの話を聞こうとしますが……結論から言うと凄惨なため細かい事情を話すのは憚られる顛末に。

読者は回想と言う形でホーがどんな経験をしたのかを見ることが出来ますが。

ちょっと強がって、祖母と上手く交流の出来ない少女が、アレクの手によって恐ろしいパワーを秘めた存在に化けてしまうとは想像もつか……いや、想像は出来たわ。

 

客が修行を望んだ時に、アレクがそれに全力で答えてくれることは分かり切ったことですしね。

それが姪のように思ってる相手でも死を前提とした修行を課せる辺り、色々ネジ外れてるよなぁアレク。いやまぁ、自分に出来たんだから出来るでしょみたいな考えのところあるし。なんなら妻と養女相手にもやってるから、ある意味で平等なんですけど。

 

普段は強がっているホーが、何度か死に戻りをしたあと幼児退行してしまうのも仕方ないと思ってしまう。

それを見てるはずなのに、平然としてるアレクが凄まじくて震えますね。ギルド長の孫という彼女の立場に目をつけ、借金取りが絡んできた思考は分からないではないですが。……ただただ状況が悪かったですね。アレク流の交渉に遭遇してしまったのはご愁傷様です。

「誠心誠意お話をしましょう」のコマがマジ悪人の顔ですよ、アレ。怖いよ。

 

この後魔族の少女、モーリンの修行が始まるみたいですが……今さらですが、WEBとは順番が変わってますね。WEBというか小説だと、2章がモーリン3章がホーの修行編でしたが……これは魔族の情報の出し方とかを考慮した結果なのだろうか。

巻末には書き下ろしSS「昔の恋の物語」を収録。ギルド長という立場にあるクーがかつて経験した恋の話で、短いながらも良い余韻の残る話でした。