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「ありがとう。けど、ここで動かなかったら、俺は一生後悔する。それは確かなんだ。だから、行きたい。いや、行くよ」

 

超越者となったことで、皆の記憶から失われたリオ。

家族を殺され、ようやく復讐を果たした彼に幸せな未来が待っていてほしかったのですが。まだ運命は彼に戦えと言うらしい。

20巻でエリカに宿った何かがリオを「竜の王」と呼んだこととか、気になる情報が多かったですけど。

 

アイシアが「能力行使すると忘れられてしまう」事を自覚していたように、彼女がある程度の情報を思い出してくれたのは、本当に助かりましたねー。

と言う事で、メタ的なこと言うとこれまでまかれていた伏線関係を回収する説明エピソードが多めになってました。

アイシアの持っている記憶も完璧ではなかったので、それを補う新キャラの登場とかもありました。それで、過去何があったのかと言うのは結構判明したように思いますが。

 

……だいたい六賢神のせいじゃないか!! なんてろくでもない……。

神魔大戦の起きた経緯、勇者という存在の秘密とかが分かったのは嬉しいですけど。こういう設定開示エピソード大好きなので。

リーナという忘れられた賢神の一人が色々と策を練って、リオ達の状況を作ったようですけど。彼女の能力も万全ではないというか、過去においてもかなり失敗してる感はありましたよね……。

 

六賢神が行った神魔大戦のきっかけとなった実験を止められてないし、その後の対応に関しても後手に回ったし。16ってことを加味しても、「千年後の彼と貴方にすべてを託すことになってしまう」じゃないのよ……と言いたくなってはしまうなぁ。

でも、彼女の残していた縁がきっかけで、忘れ去られたリオを繋ぎ止める存在もまた明らかになったりするわけで、うーん評価が難しいなリーナ。

 

そしてこれらの情報を踏まえて考えると、レイスの正体って神魔戦争の魔物側の存在でほぼ確定でしょうかねぇ。超越者の存在や縛り、かつての大戦の事について詳しいのとかもそれで説明つきそうですし。

徒に能力を行使すると、忘却が加速するっていう制限が加わってしまったリオが、彼を忘れ去った仲間を守りに来るのか試したり、打つ手がいやらしすぎるのでその内痛い目見て欲しいものですが、さて。

 

あとは、聖女エリカもあれだけの能力を行使したことによって超越者認定されて忘却の対象になっていたのは……うん、彼女にとっては幸いなことでしょう。この世界が大嫌いだった彼女が、本当の意味で解放されたように感じた。

でも、世界が「勇者が1枠消えたなら、新しい勇者呼ばないとね!」とか速攻で言ってくるのは予想外。それに選ばれてしまったのがまた今後に響きそうというか。

 

……でもこれで、皆がリオの事を思い出せたとして。リオに好意的な勇者が沙月、ルイに加えて3人になりそうなのはまだマシですか。

残りは勘違い勇者ヒロアキと、レイスの首輪付きのレンジ。それに美春に執着して、一度失敗したタカヒサだからな……。

というか、最後タカヒサはどの面下げて登場してるんですか。リオにボコられて引きこもってたんだから、そりゃ彼を忘れたら動き出すよね……巻末の22巻予告見たんですが、もう一回と言わず何回か怒られろ。