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「それなのに治らないから呪いだなどと。その台詞は医術を修めている者であれば、怠慢以外の何物でもありませんよ」

 
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで4月30日まで。

中華風ファンタジー転生モノ。

雨妹は現代で看護師として働いていた記憶がある少女。今世は尼寺で育ち、一定の年齢に達したときに外に出ることを選び、辺境の里で暮らしていた。

そしてその里が後宮の宮女として人員を派遣しなくてはならなくなって……身寄りもない雨妹をていの良い生け贄にすることを村長は選んだ。

 

前世知識のある雨妹はその辺りの考えも察しがついていたが……華流ドラマファンでもあった彼女は、外の世界を知りたかった為にその申し出を受けることに。

それは雨妹の「前世の願い」であって、今世の雨妹自身の事情もまたあるわけですが。2度目の人生と言う事もあってか、彼女かなりタフなんですよね。前世は看護師を定年退職して孫に囲まれて大往生したって辺りは割と珍しいですかね。

転生モノだと不慮の事故で死んだ人間が~ってパターンが多いイメージですが。

 

後宮では、内部の妃たちの権力争いがあったり。先輩女官から嫌がらせを受けたりもしますが。「相手の望む反応をしてやる義理はありませんから」と流せるのが強いんですよね。

でも、元看護師としての知識もあるためか、病気を呪いなどと称する道士相手には苦言を呈したりしますし。私生活においては、辺境では望めなかった甘味を満喫したりもしてますし、ブレない主人公で安心して読めます。
知識の価値を測りかねているというか、化粧品を自作して一部から注目されたり、脇が甘く見える部分が心配ではありますが。