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「『異才が異才を呼び、大きな大きな渦を成し、この世界をも変えていく』。そう戦場で歌っていたは亡き我が友『三日月』――アリシアであったか……。(中略)それでも、まずは」

「南方からぞ。新しき時代の流星の手並み、じっくりと拝見しようではないか」

 

王太子から無理な提案をされて、アレンはリディヤに連れられて水都へと足を運んだわけですが。

アレンが王太子の目に深い知性を感じていた通り、この機に国内の膿を出し切るための策略だったそうで。……リディヤはそれにかこつけてアレンとイチャつきたいのではないか、って疑惑がありますが。

 

まぁ、アレンを近くに置いて置くと適当に言い訳作って手伝いしてしまうだろうって言うのは間違いないですし。

逆に建前しっかりして拉致ったのは正しいのか。水都に滞在し、接触してきた相手の言い分を南都へ伝える『窓口』としてアレンと剣姫のコンビを配置するのは、贅沢にも程があると思いますが。

 

戦況は優勢だし、話の分かる相手が接触して来たら、そのパイプを確保しておきたいのと……それによって功績が大きいとして、アレンを偉くしようって策略も兼ねているようですし、建前ばっかりってわけでもないみたい。

 

10巻までくると他のヒロインズも出し抜かれるばかりではなく、南方へと乗り込んで行こうとする辺りどんどん強かになってる感。

長命のレティ様達がカレンやステラ、エリーの才能を表した言葉とかも気になるところではあります。絶対後に響いてくるんだろうなぁ。

 

アレンの地位向上の試みは悪くないと思うんですが……リディヤがアレンを拉致って他国に足を延ばしてる関係上、リディヤと一緒の描写が多くなるんですよね。

魔力のパスを水都にいる間は繋ぐことにしたり、着々と関係をすすめているというか。年月の積み重ねは大きいのか、リディヤ相手にしてるとアレンの様子も変わるなぁとは思うので、収まるところに収まりそうだなぁとか思いはするんですが。

 

個人的には他のヒロインズの方が好きなので、その辺りはちょっとモヤモヤしたかなー。逆にリディヤ推しの人からすると、戦争中は危ういシーン多かったし、待望の2人っきり(+アトラ)なので嬉しい巻なのかもしれない。

 

しかしまぁ水都にもアレンの知己が居る辺り、本当に彼は顔が広い。

王国相手の戦争に合わせて動けた辺り、当然水都にも協力者は作ってますよね、聖霊教。脅しつける形みたいですし、どうにか被害少ない形で収まればいいんですが。

窓口作ってそれだけで済めばよかったですけどね。メタなこと言ったら、主人公が出かけた先で事件が起きない筈もなく。そもそも戦時下にある他国の都市ですからねぇ。

アレンとリディヤの2人のコンビが揃ってるので安心感はありますが、さて、この後どうなっていくのやら。