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「腹を立てても嘆いても相手が変わってくれるわけじゃないし。上司やお客といったものは変わってほしくてもなかなか変わらないもの。自分で変えられるのは、自分の行動と仕事の中身、あとは環境だけだもの」

 

正式に竣工した服飾魔道工房。

元々ルチアは、ダリヤに五本指靴下を最初に依頼されたという経験を買われて工房長に抜てきされたわけですが。

若輩であるし、自身の不足も痛感していた彼女は、それの制作が軌道に乗ったら交代になると考えていたようですね。

でも、彼女に不足してる所が多いのが確かでも、工房の長としての覚悟と服飾師としての誇りは確かにあって、慕ってくれてる人もいるんですよね。

 

そんな状態で、ダリヤは止まらず魔導具開発を続けていて……「少し風の出る布」こと「微風布」が持ち込まれたんだから大騒ぎです。

五本指靴下の方が、ある程度形になった後で本当に良かった。

ダリヤも若輩だから、多くの職人が先達で先輩だって構えですが。服飾ギルドの魔導具士などから見ても、彼女の付与は際立ってるようで。それで腐らず努力できる人達で良かった。

ルチアも改めて自身の不足を見つめ直し、貴族相手の対応について学んでいこうと成長を決意してましたし。気持ちいい職人が多くて、読みやすい。

 

制作者として魔物討伐部隊への披露の場所に同行する事も多かったようですが……ルチア本人に、愛人疑惑を叩きつける貴族がいた場面にも居合わせて。

友人への悪評にしっかり怒り、服飾ギルドとして彼女の戦闘衣装を誂えようって言う流れは良かったですねー。

 

ルチアはお客さんに慕われているのもあって、名前を表に出して彼女を推薦しても良いという人々が多いというのも良かった。

ただ、注目を集める工房の長が貴族でないって言うのは弱みになりかねないし、むしろ抱え込もうとする人もいるから、守るための壁は必要だっていうのは面倒臭いことですなー。ルチアも勉強してましたが、この国の貴族の言い回し本当に独特でうっかり言ってしまいそうなものまであるから、正直黙っていたいっていうルチアの気持ちも良くわかる。

工房仲間との交流も順調で、しっかり工房長やってるのが良いですねー。