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「あんたは勘違いしてたみたいだけどさ、死ぬ覚悟なんてそもそもいらねーんだよ。つか、俺だってできてねえし。どうせ死ぬときは死ぬんだ、覚悟とか関係なくな」

などと、少年はあっさり笑い飛ばす。

「だから……必要なのは“死ぬまで生きる覚悟”だ。そしてあんたは、あの状況で歩いた。生きることを選んだんだ。そいつは結構すごいことなんだぜ?」

 

迷界。それは、ゲートによって繋がるこの世ならざる世界。

それぞれの世界に独自の生態系が築かれており、上手くすれば利益を得られるけれど、その道のりは危険で溢れ探索者の死が珍しくない。

なにせ危機に遭遇したとき、せめて苦しまずに死ぬための自殺用の武装が必需品になってるくらいですしね……。

 

冒頭も仲間が体調を崩したため帰還しようとしたら、獣に追われ死を覚悟したチームの話ですし。

ただし、彼らの前に主人公のユーリが現れたことで、辛くもその危地を脱する事に成功したわけですが。ユーリは「救助屋」という、遭難者を助けるのを生業としていたが、法外な対価をぼったくる「棺売り」なんて悪名が広まってる有様で。

実際振る舞いはその通りというか、口というか言葉選びが悪いんですよね……。情報をしっかり集め、問題への対処もしっかりできる、プロフェッショナルではあるんですけど。

 

そんな彼のところに、新しい客人が来訪。

危険な迷界へと向かってしまった友人を追いかけたいから、手を貸してほしいという依頼で……。危ないからと同行を最初は断ろうとしたものの、押し切られる辺りユーリもお人好しというか。

迷界の危険を知ってるからってのは大きいでしょうけど、入る前にしっかり準備して正しい歩き方を教えたりしてて面倒見が良い。

 

そして2人は迷界に入りましたが……最初からトラブル発生して予定通りにはいかない旅路になります。それでもユーリの持っている知識を活用して、時には祈りを捧げつつ乗り切っていって。

危ないばかりではなく、綺麗な場所もあったりして見ている分には楽しかったですね。自分ではあんな寿命がガンガン削れていきそうな世界には踏み込みたくないですが。

ユーリが棺売りになる前何をしていたのか。その断片的な情報が出たりしてますし、シリーズが続くとその辺りも掘り下げ入っていくんですかね。

先述の通り、自分ではいきたくないですが。ユーリがまた乗り込んでいくというのなら、見守りたくはなりますね。結構気に入りました。