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「なんであれ、お前に想われる相手は幸せだろうな」

「どうしてそう思うんですか?」

「少し重たいけれど、それはきっと一途であることの証明だろうから。……違うか?」

 
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで4月30日まで。

近くにいる人の心が読めてしまうため、学校中から畏怖というか距離を取られている少女・如月那緒。

高校2年生の進級時のクラス替えで、彼女は運命的な出会いをします。それが、主人公の宇佐美北斗。

 

彼の傍に居ると、いつも聞こえてしまう周囲の声が遮断され、北斗の心しか聞こえなくなる。それは常に心の声を聴き続けていた彼女にとって、とても衝撃的なことで……だからこそ、彼に近づくことを決めた。

心が読まれてしまうことを知ると、大抵の人は恐怖する。けど、北斗は彼女が能力を実演してみせた時、「かなり大変じゃないか」と気遣ってあげたりする良い子なんですよね。

 

そうやって打算から始まった2人の関係を、短めのエピソードを複数連ねる形で描いていく作品で、北斗視点も如月視点もどっちもあるので、2人の心情が分かりやすく読みやすい。

オススメされた本を読んだり、一緒に映画を見に行ったり。他の学生に絡まれることもありますが、2人のペースで距離を詰めていってる感じがとても微笑ましくて良かったですね。