「うるっせぇ! 俺は――お前に、生きていてほしいんだッッッ!」
いつも通りの短編集。
「レーンの受難」は学院の女子寮で起きた下着ドロボー事件を、グレンが調査する事になる話。間違いがない様に、まーた女性化する事になってましたが。みんなグレンの正体知ってる状態だから、そこまで意味あったのかなぁって気はする。
白魔術の権威である変態男爵がノイズになってはいましたが。グレンも魔術学院の内部犯を疑っていたのに、魔術探知の設定に抜けがあったのはどうなんだろうか……早急の対策だったとは書かれてましたけども。可能性は考慮するべきだったのでは。
あと、ツェスト男爵が何か所かチェスト男爵になってるの見つけてしまった。
肝試し的なエピソード「嵐の夜の悪夢」、ナムルスとグレンがデートする「名も無きビューティフル・デイ」。グレンが魔術の才能ある少女と出会い、教え導く「君に教えたいこと」などを収録。
ナムルスとのデート回では、口ではとやかく言いつつもチョロイナムルスが可愛かったですね。見てる分には微笑ましい。
そして最後となるのが「迷子の戦車」。
タイトルにある通り特務分室の「戦車」ことリィエルの過去のエピソードですね。グレンは実験体であった彼女も救おうとしたようで。
アルベルトは最初こそ「生かすことが救いになるとは限らない」と排除しようとしてましたが。結局はグレンの案に乗って、生きる気力のないリィエルを救うための魔術をわざわざ習得して来るなど、彼もまた不器用な生き方貫いてるなぁって気分になりました。
心が乾き切っていたリィエルを、グレンの愚直さが生かして……今、フェジテで行われている最終決戦において守りたいものを見つける成長に繋がる、という構成が熱かったですね。