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「きみは……魔法使いなのかい?」

「昔、そんな渾名で呼ばれたこともあるな」

 

「海賊と女王の~」とついている通り、ケリーとジャスミンがメインで展開していくエピソードですね。

今回は、峡谷競争の時に世話になったブラケリマの整備士ガストーネがジャスミンに頼みたいことがある、と連絡してきた事から物語が動き始めます。

パピヨンルージュとして名を馳せ過ぎたため、最初はあまり気乗りしていなかったジャスミンですが、かつての騒動の折ディアス社の筆頭株主になっていたのを引き合いに出されると無下にも出来ず足を運ぶことに。

なんだかんだでガストーネも彼女との付き合い方が分かって来てますね……理解者が増えてくれるのは良い事です。

 

なぜわざわざジャスミンを引っ張り出す必要があったのかと言うと、近頃の峡谷競争での流行に原因があって。

いくつものレースが開催されるブラケリマでは、どうしたって人気のある場所とない場所が出てくるわけで。そんな中で、地方の1か所が「障害物競走」という新たなレースの形を提示。

 

ハート形とかあみだくじ状とか、特殊な形にしたビームネットをかい潜るレースが大うけで、その流れには逆らえずついには怪物級でも実施されることになってしまったとか。

しかし管制頭脳を乗せていない怪物級はそのサイズなどもあって、他の階級とはまとめて語れない。けれど、研究者とその辺りの意思疎通がうまくいかずに拗れてるとか。

そこでパピヨンルージュに実物を見て、飛んで貰いたいって要望で……実際に飛ぶ羽目になったわけですが。流石にジャスミンとクインビーのコンビの敵ではなかった。

とは言え、本来の怪物級が飛べる配置ではなかったというのも間違いはなくて。納得できない研究者を複座に乗せて飛んでみせることで納得させたのは、力技でしたがお見事。

 

……それで終わってれば、良かったんですけどねぇ。

パピヨンルージュの人気は未だにブラケリマでは根強く、大統領が彼女の一番のファンだと公言してのけるほど。

付き合いでパーティーに参加する事になったり、研究施設となっているオアシスで起きた事件を解決する事になったりと、相変わらずトラブルを引き寄せる運みたいなものを持ってますなぁ。

でも、この2人が居たからこそ問題が大事にならずに済んだのも確かなので、ブラケリマは運が良かった。

 

飛ぶ空の形は違えど、実力者としてジャスミンの事を認めてくれるダイナマイトジョーとか、好感の持てるキャラが多いので楽しめましたね。

96Pの「知らない世界の扉が見えた」とパピヨンルージュの飛行を評し、「ぼくには必要ないものだ」と言ったシーンとか結構好きです。