「きみがいつか、泣けるように祈っている」
「…………」
「思い切り泣いて、悲しんで、亡くなったご家族にさよならを言って。――きみの人生はそれからだ」
テンペスタで起きた事件は、一先ず決着した。
しかし、犯人たちの要求したのはダイナマイトジョーの八百長以外に、門調査の延期も含まれていたわけで……まだ裏がある。
まずは厳重な警備が敷かれている筈のテンペスタに、どうして犯人たちが潜入出来たかの調査をすることになりましたが……案の定、ボンクラ元2代目社長のところに辿り着いて。
いやぁ、更生することなく好き勝手生きて、無責任極まる振る舞いをしてて逆に凄い。全く尊敬できないけど。
そこで得られた情報について調査を進めていく途中で、別のところで起きた問題の相談も受ける事になって。
連邦非加盟の辺境にある惑星。そこでは軍事独裁政権と対抗勢力の内紛が勃発していた。
そしてそこにあるマース企業の開発品が横流しされている可能性が出てきたとかで。
部品だけじゃなくて兵器まで持ってかれてしまったのは、流石に脇が甘かったのではと言わざるを得ませんが。
各地で起きていた騒動が、1つの門を通して辺境惑星に通じていたのは面白い展開でしたね。
数値が安定せず場所だけは把握していたが、ケリーも飛んだことのなかった門。そこの安定期に遭遇して、飛ぶことが出来たの彼が楽しそうで何よりです。
……それの目撃者が多数出てしまったのはちょっと頭の痛い問題ではありますが。差し迫っていたからなぁ……。それを承知の上でケリーも飛んだわけですし、彼ならどうとでも対処してくれるでしょうけど。