「全軍傾聴ッ! ここからが真の勝負よッ! 我らが祖国の興亡、この一戦にありッ! あえてもう一度言わせてもらうわ! 貴方達、祖国のため、女王陛下のために死になさいッ! その命――私に寄越しなさいッッッ!」
グレンが過去に飛んだ裏で、フェジテは天の智慧研究会に攻められていた。
そんな中でもイヴが必死に策を練っていたり、リィエルが覚醒したりしたおかげで、辛くもしのいでいたようですが。
頼りのリィエルが、剣の姫エリエーテに敗北。本格的な侵攻の際にもう一度会いまみえよう、とその場は引いてくれたわけですが。どうしようもなくじり貧な状況は変わらず。
それでも多くの人々が足掻き続けて、少しずつ敵の計算を狂わせることに成功していったのは胸が熱くなりましたね。
かつて敵対した人の中からも、諦めることをしないグレンの眼に射抜かれて、窮地に駆けつけてくれたりしましたし。
彼の積み重ねてきた行いは決して無駄ではなかったんだ、と思える展開はとても良かったです。
……まぁ、敵は長年にわたって国に巣食い策略を練ってきたわけで。
覚悟一つで逆転できるほど甘くはなく、対策を取ってなお戦士たちが死んでいってしまう苛烈な戦場ではあるんですが。
生存率を高めるべく努力はするけど、多くの命が失われる作戦を提示したイヴと、それらすべてを承知の上で戦いに臨んだ勇士の姿が、印象的でしたね。
ただやられるのではなく、次に活かすための情報を残していった彼らはとても格好良かった。こういう名前も無いけど、爪痕残していくキャラ好きです。
言葉を選ばず云うと、モブが活躍するシーンが地味に好き。多用され過ぎてもアレですが、今回みたいに要所で魅せてくれるといい感じ。
絶体絶命の状況から、抗える状態にまで盤面を戻したイヴの手腕はお見事ではありましたが。イヴ自身や、アベルにリィエルと言った敵の特級戦力との戦闘結果によっては容易く状況が一変しそうですし、ハラハラしますねぇ。続きを心待ちにしております。