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「大丈夫。おれはずっと一緒にいるから」

(略)

「ん。ずっとずっと、一緒にいてね」

 

もうこの作品の感想は「早く付き合わねぇかなぁ」のひと言で纏めてしまっても良いような気がしてきた。

お互いに相手を好いているけれど、状況を変えようと踏み込むことで、今の関係が壊れてしまう事を恐れているために、最後の一線を超えられない。

そんなもどかしさを楽しむラブコメではありますけど。早く友達じゃなくて恋人になって。

 

生まれつきの白髪がコンプレックスであり、引きこもっていたという過去からゆいが臆病になってしまうのは、まぁ分からないでもない。

そんな彼女が、優真と出会い交流して惹かれていくのも無理はない。彼が同じ学校に通うと知って、勇気を出したわけですが。

……うっかり別のクラスになってしまうなんて躓きがなかったのも良かったし、クラスに優真の友人が居た事もあって、ゆいが上手くクラスに受け入れられたのも良かった。

受け容れられた背景には、優真が好きなのが速攻でクラスの女子にバレて、微笑ましいものを見る目になった部分もあると思いますけど。

 

あと、優真との関係をゆいのご両親……特に母親の方が後押しする気満々なのも笑えたポイントと言いますか。

外堀は完全に埋まってるので、あとはもう本当に当人同士の気の持ちようねんですが。そこで、関係変化を怖がったゆいが「ずっと友達で居てね」とか宣言しちゃうんですよねぇ……。

でも、それを聞いた友人が今のままで居られると思ってる? としっかり覚悟を決めさせていたのは良かった。

 

後書きからしてもこの後の3巻が、タイトル回収回というか「友達じゃなくなる」瞬間を描く区切りのエピソードになる予定だったそうですが。
打ち切りになった後、重版されて。状況が動くかどうか……みたいなツイートしてる所までは観測したんですが、どうなるのやら。
追記:4月28日に、3巻の発売が決定されたとツイートがあったようです。12月発売予定と先にはなりますが、刊行決まったのはめでたいですね。