「冒険者はな、二つに分けられるんだ。片方は食うために冒険者をやってる奴。そしてもう片方は上を目指すためにやっている奴だ。……ルーク、お前は後者なんだろう。……行ってこいよ。俺達の代わりに世界を見てきてくれ」
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで4月30日まで。
WEB既読。気がついたら純白の世界に居た主人公。
そこで謎の存在から「お前らはこれからテスラに行くから、指名あるものはそれを果たせ」と、説明にもなってない説明を受けて放置されて。
周囲にはゲームで同じパーティーを組んでいた仲間が居て、ほかにも複数のグループが点在していた。更に手元にはゲームのウィンドウ画面のようなものが浮かんでおり、それでステータスやスキル、転生先までを選択する事が出来た。
ゲーム仲間は、ゲームと同様にそれぞれが特化したビルドにしてパーティーを組むことで、連携を活かそうという方向に進んで行きますが……。
主人公はどうにも不安を拭えずにいて特化しすぎるのも危険では、とか意見を出したりはしています。
そしてタイムリミットが迫ったタイミングで、彼は漠然と感じていた不安に対する回答を得ます。
この状況はおかしい。けれど、仲間を説得できるだけの時間も根拠もない。
だから彼はギリギリで不審なスキルの取得を取り消し、転生先を仲間と違う場所にする……タイトル通り『極振りを拒否して』、パーティーではヒーラー枠だった彼は『特化しない』で『仲間と別れて旅に出る』ことになるわけです。
転生時のアナウンスで『精神汚染からの脱出』とか言われてるし。謎の存在から観察されてたり、間章として挿入されている「一方そのころ仲間たちは」的エピソードで、受け入れ先の国に不穏さが見え隠れしたり、この世界自体が怪しさに満ち溢れてる様に感じられますが。
一人になった主人公は、とりあえず冒険者登録をして。初心者用のダンジョンが近くにあったのでそこで鍛錬したり、他の冒険者と交流して情報を集めていきます。
とは言え、地図が重要な情報になるから詳細なものを知っている一般人はほとんど居なかったり、転生時には見られたステータス画面が現実では見られなかったり。
本当に手探りで試していく形になって、もどかしい部分もありますね。始まりが怪しさばっかりだったのに、主人公の危機感足りてないのではとか思ったりするシーンもありますし。
他の冒険者とパーティーを組んで活動していく中で、微妙なズレを感じていた彼が、目的を定めるのが1巻のエピソードだった、って感じですね。
特殊な才能を持って転生したはいいけれど、まだまだ未熟な彼の道行きがどんなものになるのか、見守りたいものです。