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「お前が鍵だ。エリザがしっかりやってくれれば敵以外誰も死なない。当然オレも死なない。そしてエリザは本物の領主になるんだ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで430日まで

銃を片手に戦う民兵として育てられた孤児の少女、仲村マリナ。

彼女は瓦礫の下から発掘したコミックで見た「武装戦闘メイド」という存在に憧れていた。それは望まぬ戦いに参加させられている彼女からすると、敬愛する主人とそれに尽す理由を持って戦っている事が、羨ましかったからのようですけど。

叶わぬ憧れを持ったまま戦闘によって死亡した彼女の魂を、異世界の公女様が呼び寄せて。

 

戦争によって家族を失い領地も削られ、「民草のために戦えるから貴族は尊い」という教えに共感した公女エリザベート。

民草への義務を果たさずに貴族としての権利を行使できない、って街から税金をとってなかったりするあたり、理想家に過ぎるなぁとは正直思いましたけど。

その理想に殉じる覚悟があって身体も張れるし、押し売りになろうとやり通す意思もあるので、なんだかんだ嫌いじゃないですね。

 

マリナもエリザベートの在り方を見て、主として認めてますし。

契約を交わしたことで彼女が扱えるようになったのが、元居た世界の銃火器をスカートから取り出せるって言う能力で。

魔法とかそれを用いた武装が存在する世界だと、銃撃を的中させても効果がなかったりして、苦戦を強いられる事も多々。

……いやまぁ、清貧な生活を送りすぎていて戦力も物資も色々と不足してたというのも響いては居ますけども。

政治的な思惑も絡み、エリザベートに濡れ衣を着せて排除しようとする一派からの攻撃で絶望的な状況になっても諦めずに抗い、僅かな価値筋を掴んだのはお見事でした。