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「……平穏に暮らせれば、それで良い」

  

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで430日まで。

母から錬金術の知識と技術を叩き込まれた少女、セレス。

腕前だけは抜群だったけれど、致命的なまでの人見知りというか……あそこまで行くと対人恐怖症とでもいうべきなんじゃないでしょうか。

人と話すのが苦手で身構えてしまう。それは他の視点からすると「戦闘態勢を取って、睨んでくる」ように見えるせいで、どうにも誤解をされまくっていて。

 

実家にかじりついていたけれど、何時までも面倒見てられるわけじゃないんだよ、と母親に異国の地に放り出されてしまった。

いや確かに軽く魔獣を倒してるし、「自力で稼いで自力で生きていく」ことが可能な能力はあるかもしれませんが、セレスだけを放り出して何事も無く終わったかと言うと、そんなことはなかったんじゃないかな……。

 

最寄りの街に立ち寄った所、セレスの幼なじみと再会できてなかったら、もっと色々問題起きてた気がする。彼女の人見知りっぷりとかを知っていて、セレスも懐いてるからたどたどしくでも話せる相手が居たのは救いです。

そうじゃなかったら最悪セレス宿も取れず、お金も稼げずで野山でサバイバル生活送る羽目になってたのでは……力量的には出来るでしょ。

 

余りのダメっぷりに、ずっと面倒を見ていた母が投げ出してしまったのも分かる。実力がありすぎて、領主を筆頭に地位ある人が見逃せないのも分かる。

セレスにとって理想的なのは、幼馴染のライナみたいに意思疎通ができる相手を確保して、その人に店番をしてもらって彼女は裏で制作とかをする形式が取れれば、力量は確かなので問題なく店舗も営めたと思うんですけどね。

……これまでよく生きてこられたなって感じの挙動不審さなので、見ていて不安になるよ……。

緊張しまくって会話覚えてないとかザラだし、その振る舞いが強者感を出してるせいで誤解が加速してるし。

勘違い系の作品ですけど、セレスの理解者が少なくて彼女にばっかり負荷がかかり続けてる様に見えるのは、不安だなぁ。……いやまぁ、ある程度仕事を課さないと本当に引き籠り続けるので、こう、多少は負荷を掛けなきゃいけないのも確かなんですけど。読んでてもどかしくなるシリーズですなー。