「ん! 師匠、ここからは本気の本気」
(略)
「絶対に勝つ!」
ついに武闘大会が開始。
予選から順当に勝ち進んでいったフランでしたが……。悪意はないが侮られたり、青猫族に侮蔑されたりと、面倒な滑り出しではありました。
前者はともかく後者がなぁ……根が深い。その青猫族が所属していた傭兵団の団長は、差別を問題視していて、フランに謝罪も出来る好青年ではあったんですが。
彼は彼で理想的に過ぎたというか視野が狭かったというか。身内に爆弾抱えていたのが明らかになったので、うーん。
面倒なキャラで言うと、来賓として来ていた獣王もですよね。
青猫族が黒猫族を奴隷とした時、当時の獣王が手を貸したって噂があって。さらに現在の獣王は親を殺して地位を簒奪したために、かなり評判が悪い。
5巻最後にあった視点や、今回フランと武器を持って対峙した場面でもそうですが、かなり荒っぽい言動が多い実力者ですわ敵かと思いきや、実は……って展開。
まだまだ格上なので敵対せずに済んだのはありがたいですけど、あの言動で誤解するなって方が無理でしょ……。
まぁ王として発した命令を無視している輩が居たりするようですし、舐められない態度は必要なんでしょうけども、黒猫族への差別に否定的なのにそれが伝わってないのは問題でしょう。
彼は彼で情報を集めていたようですが、黒猫族にかけられた呪いについては失伝してしまっていて。それを知っている相手に、ちょうどいいタイミングで出会えたのは運が良かった。
特訓の過程で得た切り札を使って、格上相手に勝利をおさめられたのは良かった。
でも、それだけで優勝できるほど先達も甘くはないって言うのも示してくれて、今後の成長がますます楽しくなる感じではありますが……フランのバトルジャンキー度も上昇してきそうなのがアレ。まぁ、本人の性分的に合っててそれで成長も出来てるなら問題はないんですが。