「ちょっとわがままになったな、真昼も」
「わがままな私は嫌ですか?」
「まさか。もっとわがまま言ってくれていいぐらいだよ」
夏休み編後編。
周の実家で温かく見守ってくれる父母と、愛しい人が隣に要る幸せに真昼がいい感じに溶けてて微笑ましかったですねぇ。
添い寝したり、からかってくる両親への対策として明け透けに好意を示してくる周君の言動も影響してはいますけど。本当にイチャイチャしてて、糖度高め。
WEBの帰省編だと、周のトラウマとなった相手との決別を描いていたのが印象的でしたが。周を孤立させる流れに加担はしなかったが、距離を取った友人との邂逅が加筆されてましたね。
嫌ってはないけど、積極的に交流しようとは思わない。周は既に生活の軸を大切な人が居る今住んでる場所に移していて、故郷には帰省ぐらいしかしないだろうから、これからも生活のパターンが重ならない相手。そんな微妙な距離の、かつての友人とも落ち着いて会話をして、線を引けたのは良かったんじゃないでしょうか。
本当に過去に区切りをつけられた感じがしますし。周君自身も「憂いがなくなった」と言っています。
一方で前を向いて状況を変えていく彼氏を見てる真昼は、「本当は私も向き合わないといけないのですけどね」と零していたリ、ままならない想いも在りそうです。
6巻終盤では今更な行動をとり始めた御仁も居ますし、真昼の心の傷にも焦点が当たっていく形になるんですかね。
付き合い初めて過去を振り切った周君は、本当に真昼を大切にして。夏祭りでデートしてるときも、自然にいちゃついてるので、まわりからすると目の毒な感じもしますが。
真昼の心はまだ不安定な部分もありますし、そうやって大量の愛を注いであげる彼の在り方は尊いと思います。
千歳・樹カップルの方も、樹の父親が息子の恋人を認められなかったり、2人の関係は好調だけど、その周囲には問題があるカップルばっかりなんですよねぇ。
メタなこと言うと、だからこそ物語的にメリハリが効いてくるんですが。後書きでも千歳達の事も本編で引き続き触れていってくれるそうだし、今後に期待。