「ダメじゃありません。私が行きたいから行くんです。もう決めたんです。帆乃夏に選択権はないですから」
父親が魔術師を自称していること、住居がお化け屋敷にしか見えない外観をしていること。
そのため同級生から魔女と笑って虐められていた少女、南戸由貴。高校に進学したけれど……いじめた側の生徒も同じ学校、同じクラスに居て始業式の日から速攻で「いつも通り」の振る舞いをしてきた。
中学校時代までは耐えてきた。なぜなら、逃げれば大嫌いなモノに負けを認めることになるから。だけどその時の由貴は思わず泣きそうになってしまい、逃げてしまった。
家に帰ったら、仕事でしばらく家を空けるという父の置手紙と入学祝としてペンギンのストラップが残されていた。
相談できる相手も居ない為、翌日は学校にいった辺り真面目ですね……。でも、その時には既に異変が発生していた。端的に言ってしまうと全国各地でゾンビパニックが発生したんですね。
タイミングに多少のずれはあり、由貴たちの住んでる街では普通に生徒たちが登校していましたが、ネットに動画が出回りスマホを持っている学生はそれを目にしていたようです。
まぁ、それを本当と思っている人もいなかったようですが……その油断が命取り。学校にゾンビが現れ、次々に学校関係者が襲われゾンビの仲間入りをしていく中、由貴の託されたストラップが輝き、巨大化。
彼女は辛くも難を逃れることに成功します。そして別の場所に隠されていた父の手紙を発見。父が魔術師というのが真実だったことなどを知り、魔術を一人で学びゾンビに溢れた世界を生き延びていくことになります。
コンビニなどから無事な資材を回収していたある日、ゾンビに襲われて銃で奮闘している少女を発見。見捨てられずに助けてみたら、それはかつて友人になったものの転校して離れ離れになった友人・帆乃夏だった。
ひとまず父の残した結界によって安全が確保されている家まで招き、彼女がどうやって生き延び、どうしてここにいるのかなどの情報交換をして。
帆乃夏は目的があるため行動していて、友人に無理に助力を頼むような自分勝手な真似はしたくないと一人で街を去ろうとしますが……。
そんな彼女だからこそ、友人として放っておけないとついていくことを決意。崩壊した世界を少女2人が旅して、時に戦ったりしていくポストアポカリプスなお話ですね。
ひとまず荒廃した世界を生き延びてましたが、最後に出てきた情報が結構気になるところ。