「さっきも言った。特別なことはしてない」
「ふははは。あなたが特別ではないとなれば、我が配下に褒美もくれてやることができませぬ。よいですか。あなたは凄い事をした。増長しろと言っているのではありませんぞ? ですが、手柄は手柄として、きっちり自覚なさいませ。そうでなくてはむしろ余計な敵を作る事にもなりかねませぬ」
厳しい戦いをなんとか乗り越えたフラン達。
しかしその戦いで師匠の身体というか、剣そのものにも大分ガタが来てることが判明。
ミューレリアを追って入った先のダンジョンで、フラン達は神剣使いアースラースに遭遇してましたが、その神剣の気配を察知してやってきた神級鍛冶師アリステラと出会って。
メア達の勧めや師匠の状態もあって、フラン達は彼女の世話になることになります。
神級鍛冶師としてのスキルなどで解析して、来歴のヒントは出てきましたが……逆に言うと、神級鍛冶師でも全容解明できない謎な存在であることもまた明らかになって。
いやまぁ、中に異世界人の魂封じ込めてる剣が普通かと言われたら、そりゃ普通じゃないに決まってるんですけどね。
師匠が戦いの途中に感じるようになった「痛み」についての事情を察して、しっかりと対処してくれたのは流石の腕前でした。
まぁそれによってスキルの統廃合が行われて、これまでと使用感覚が変わってしまって習熟は大変そうでしたけど。
アリステラとの交流を終え、黒猫族の人々と再会して。
領主の人がフランの事を思って忠告してくれたり、キアラやメアとの出会いがあったり、総合的に見ると獣人国に来て良かったんじゃないでしょうか。
戦争に巻き込まれて大変でしたが、フランが居なかったら黒猫族の同胞は蹂躙されてたでしょうしね……。