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「自分が悪いと自覚できたんならそれでいいんだよ。人なんか関係ない。お前も俺も七海も、みんな個人だ。人間はな、自分の責任で自分なりにやりたいことを頑張ればいいんだ。それが、生きてるってことだろ」

 

ウッサーを引き連れて、街へと帰還したワタル。

ゴロツキとかした学生に絡まれたりもしましたが、ウッサーが一蹴。イケメン男子こと七海がどうにかまとめようと奮闘してはいるようですけど、外でハッスルしてる生徒がいたり、彼の眼の届かないところで彼の幼馴染がいじめられていたり、なんというかどんどん転がり落ちていってる感はあります。

……いやまぁ突然異世界に放り込まれて、ここまでの段階でも既に大勢死者が出ているって状況だと思えば、まだ踏みとどまって居る方か。

 

速攻で順応してソロ攻略を満喫してるワタルの方が特殊なんだよなぁ……。

まぁ七海グループもかなりギクシャクしてますし、どっちがマシかって言われたらワタル達の方になりますが。

街に居てワタル寄りのスタンスになっている面々も、久美子はワタルを追いかけてソロ攻略できるようになってるし、瀬木は「ゲームに似た世界だというけど、本当にそうだろうか」と疑問を持って出来る範囲で調べ事をしてるし、前向きなんですよね。

 

七海グループは、怪しい参謀がいたり彼に気に入られたい女子の勢力争いがあったり、内輪で揉めてるからな……。

ワタルも有用な効果を持つアクセサリーだからって指輪を配り歩いてたり、周囲の女性陣がバチバチやってるから、あんまりとやかく言えない部分はある。

 

竜胆和葉が困窮してるのを見て、自分が彼女の足を治してしまったのも一因だろうと手助けするあたり、なんというかお人好しではありますよね。敵には容赦しないので、猫を拾う不良理論というか、ギャップが光ってるとも言いますが。

そうやって甘い顔するから依存されるんやで……。キャラデザ的には和葉好きですよ。ただ、爆弾みたいな気質を感じるので遠くから眺めてたいなぁ、と思う次第。実際、彼女の書いた手紙がトドメになって騒動もおきますし。

 

ゲーム時代ではあり得なかった異質な『侵攻』が起きて、それの対処でダンジョンに挑める戦力がさらに削られてしまったりと、道のりは険しいですがさてどれだけ生き残れるものでしょうか。

刊行止まってるので、打ち切りかなぁ……みたいな気になってしまいますが、そもそもこの2巻も1巻から3年後くらいに出てるので、期待しすぎない程度に待ちたい。WEB読み返しても良いな。
ちなみに私は積読消化したんですが、今だと来年3月末くらいまでBOOK☆WALKER読み放題の対象にもなってるので気になってる方はそちらを入り口にするのもアリですよー。