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「俺は……何もしてない」

「そうか。ならば――――その剣で証明してみせろ」

 

今回はヒカル視点以外に、現実世界にいる彼の妹セリカ視点のエピソードと離れ離れになったリフレイア視点とが織り込まれた構成になっています。

セリカ視点が描かれたことで、彼女の秘めた兄への信頼の重さとかも分かって良かったですけど。兄が転移に巻き込まれた時から、双子姉妹が現実でどんな事をしてきたかとかが描かれていて、いろんな手が打てるのも善し悪しというか。

人の悪意を利用しようとすると、御しきれない部分はそりゃ出てくるよな……って感じでしたね。

リフレイア視点は、故郷に帰ったけど未練たらたらなリフレイアがいつも通りでした。えぇ。

 

作品本編はナナミを殺した犯人が捕まった、という速報が乗った掲示板回からスタート。

ひとまずそれはめでたいと言える出来事ではあるんですが。

ヒカルは視聴率レースで1位を取れず、ナナミ蘇生の道が絶たれてしまった事で1回凹むし。神がタイミングを考えないアップデート入れたせいで、母親との通話が繋がり大ダメージ負わされる羽目になるしでまたしても散々です。

あれは中々の毒親……。幼少期から天才だった双子が悪戯をすると、真っ先にヒカルを疑い叱り、のちに妹たちが認めたとしても「あんたのせいで悪い事を覚える」と怒る。

それで良くもまぁ、家族の事を思えるものですね。ナナミは実の両親との間に生じたトラブルで、ずっと彼らを許さなかったそうですし、彼女ほどでなくてもある程度割り切っても良かったんじゃないだろうか……。

 

ただ、そこにメッセージに導かれた転移者ジャンヌが登場。

視聴リスレースで1位を取った彼女とヒカルは、初対面でなぜか戦う事態になったりしてましたけど、最終的には和解。

和解って言うのか……? カレン曰くどっちもコミュ障で「かみ合う時はめっちゃかみ合って、ダメな時は死ぬほどスレ違うんじゃないかにゃ」ってことですが、今回は変に噛み合っちゃったパターンなだけだからな……。

 

ジャンヌから死者蘇生の宝珠を託され、ナナミの蘇生をすることが出来た。1つ目標を達成したヒカルはジャンヌとコンビを組んで迷宮に挑むことになる、と。

ジャンヌと楽しい時間を過ごせているようですし、このまま浮上していってくれればよかったんですが。光のストーカーことリフレイアとの問題だったり、神による新たな試みによって生じる問題とかが、またヒカルを曇らせるんだろうなぁ……。