「……まあ、そういう難しいことは置い、とい、て」
(略)
「今大事なのって、正しい正しくない以前にケンゴがどうしたいかじゃねえの?」
ミステリアスな美少女として、学校でも話題な高嶺サキ。
何かと噂の絶えない彼女は告白されることも多く、良く思わない女子も居た。だからか、流れる噂の中には彼女がパパ活してる、みたいな誹謗中傷まで含まれていて。
噂されるほどミステリアスでもなく、実際は臆病の虫を飼っている彼女は上手くやり返すことが出来なかった。
でも、彼女の通う学校には堅物で風紀オバケなんていわれるような、鬼の風紀委員長・間島ケンゴがいて。
彼の目の届くところで不穏な行動をとれば即座に飛んでくるし、校則と言う武器を手に違反者をガンガン指摘していくのは、なるほど風紀オバケと納得してしまった。
でも、そんな彼もまた学生なんですよね。
鬼の風紀委員長の目が光っていては安らげないだろうと、一人で昼食をとる少しずれた気遣いを見せたり。一方で、ずっと明かせなかった片思いを続けていたり。
お互いに好意を寄せているのに、堅物で鈍感な間島君と、臆病で更に好きな人相手だとテンパってしまう高嶺さんでは中々進展しませんが。
それでも諦めずにアピールを続ける高嶺さんが健気で可愛いです。
彼女が好意を持つきっかけになったエピソードも、どこまでも真面目な間島君ならではの味がありますし、お似合いだと思います。
高嶺さんに言い寄る男の中には困った連中も多いみたいですが、間島君ならなんとか捌いてくれそうな信頼もありますし。