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「悪いな。俺は半端者だが、家族を守る覚悟だけはしていたんだ」

 
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで8月31日まで。

現代兵器の効かない異形の怪物が現れるようになった世界。

時を同じくして超常の力を振る能力者が生まれるようになり、その力で対処する事で人類は生き延びていた。

そんな時代が到来して百余年。能力者の強さを測る際には「能力値」と言う数値が用いられていたようですが、サブタイトルにある通り主人公の数値は0

 

それ故に、学校で彼はさげすまれパシられるような日々を送っていた。

実際は高ランクの怪物だろうと一蹴できるくらいの実力者だったみたいですが、主人公也の考えがあって表向きは無能を装っていた模様。

ただ自分が馬鹿にされるのは耐えられても、家族にまで毒牙が向こうとしたときには容赦しない辺り、しっかりと線引きしてていい主人公だとは思いました。

 

でも、彼を虐めていた連中の振る舞いとかが微妙というか。

先生たちはいじめに加担することなく「すぐ能力が発現するからな」と励ましの言葉をかけてくれたり、悪くはないんですが……その割にいじめ見逃してるしなぁ。

あとは過去に「数値0なのに、恐ろしい力を持った人物」が悲劇を起こしたことがあるそうで。それを知っていたのに悲劇を再び起こすような、能力者をいたぶるような真似が出来た考えなしのモブが結構なノイズになってますね……。

読者目線だと割と高ランクの怪物がポンポン出て来て、主人公が蹴散らしてますけど。それに対処できない能力者も多いので、割とこの世界ヤバそうって感想が零れる。

 

数値に誤魔化されず彼をスカウトに来た実力者が居たり、そんな愚かモブばっかりじゃないのはせめてもの救いか。

彼が実力を伏せていた理由も詳らかになったわけではないですし、1巻時点だとサブタイトルに惹かれて読んだら満足できそうだけど、どこか物足りない部分もあるかなぁという感じ。