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「なら利害は一致してる。黄昏の射手は夏の代行者様方に捜査のご協力をお願いしたい」

 

黄昏の射手の輝矢さんが、自身の過去にトラブルがあって傷を負いながらも、職務を全うしてる姿とか、自分よりも幼い夏の代行者たちを気遣える姿勢とかを見ると、現人神側の人材はまともでホッとしますね……。

今回の事件で暗躍していた夏の里の黒幕も、家族に呪われてあぁするほかなかったと描かれていましたが……代行者を道具のように認識して、そのように扱う性根だからこそ今の袋小路に追い込まれてるんだから、自業自得だよなぁとしか言えない。

 

下巻第一章の、四季の代行者と射手とでは神の代行者という立場は同じでも、権能を与えた神も在り方も違うのもあって、それぞれの領域には詳しくない。だから情報共有しましょうって場面が好きですねー。

輝矢さんが真っ当な大人としての振る舞いをしてくれるし。新しい協力関係が生まれて解決に動きだした感じがしましたし。

 

老獪亀たちに対抗する勢力である、一匹兎角の面々も概ね味方ではありますけど。

彼らもまた過去の在り方に縛られてたなぁ、という印象。もっと早くから他の代行者に頼っていたら、もう少し別の解決もあったような気がします。

まぁ、独自で動いたことで春夏秋冬の同盟で結ばれた今代の代行者たちの絆は確かだと改めて示すことが出来たのは大きいと思いますし、これからに繋がる結果になったとは思いますが。

 

あと怪しい情報屋の介入とかもあって、通話やメールの妨害までされてたから、そこまで変わらなかった説もあるにはある。

……あの情報屋もなぁ……今しばらくは味方で居てくれると思うんですけど、何かの間違いで道を踏み外した時が怖いなぁ。内側の情報を知ってる人間が、敵に回るのは本当に恐ろしいですから。

 

あと代行者たちが動き始めて現地入りしたタイミングでは、もう状況が変化していたからこそ386387Pの見開きイラストが見られたわけですし。

契約結婚のつもりでいたあやめと連理の関係の、この騒動でしっかりと答えを出せたのも良かったので、ひとまず終わり良ければ総て良しと言う事にしたいですね。

まだ潜んでる敵対勢力だっているし、賊も今回は大人しくしてたけど力を蓄えてまた動き始めるでしょうから、トラブルは絶えないでしょうけど。それでも健やかに育ってほしいものですね。

シリーズが続くのなら次は秋の舞で、当代でもっとも幼い代行者撫子がメインになるわけですから、尚更に。

 
カクヨムの方で夏の舞、本編後の外伝「一夜酒」が掲載されていて、そちらもまた良かったので読んでない方は是非。