「それは、自分で考えてみて。貴女もそろそろ、そういうことがわかってもいい頃。カルロくんをこの国に連れてきて、そばに居たいと思うなら、なおさらね」
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで7月31日まで。
今は亡き義父から、裁縫術という特殊な術を教え込まれた下町の古着屋カルロ。
彼は冤罪によってとらえられ、生け贄にされそうになったところで伝説級の狼の魔物、バスターウルフに、結果的に助けられることに。
そのバスターウルフは変なものを食べたせいでお腹が痛くてもだえてただけで、別に助けようとして助けてくれたわけではないみたいですが。
カルロが連行されてきた場所が、氷の森と呼ばれる常人なら踏み込まない危険なエリアであり、バスターウルフから離れたら死ぬ予想がついたこともあって、カルロはバスターウルフを救おうとします。
バスターウルフが食べた巨大な魔物の中にいた寄生虫が暴れていた、と外から分かる程だったのも大きい。これで腹を下してるから、特殊な薬が必要って言われてたらどうしようもなかったですしね……。
裁縫術は道具を魔力で動かし、手を使わずとも針仕事ができる補助魔法のようなものみたいですけど……師匠の教えか、その特殊さからか。通常なら切る事の出来ないバスターウルフの腹を切った上で縫い合わせる、という神業を成し遂げて。
その結果、バスターウルフのルフィオに懐かれて、度々彼女が遊びに来ることになります。
魔物の国アスガルド出身である彼女からすると、カルロの故郷は別大陸みたいですけどあっさり来られる範囲なのが凄い。
あと、人間の国が生け贄試そうとしたり、珍説によって工事を始めたりする有様なのに、アスガルドには有給の概念があったりして、色々と遅れて見えるな……。
まともな感性もった人も多いんですけど、後ろ盾のないカルロは振り回されてばっかりですからね……。
面白くなりそうな要素を散りばめてはいるけれど、まだまだカルロは未熟だし翻弄されてる状況で引きなのはちょっと惜しいかなぁ、と言う感じ。