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「お礼を言わせて、フィーア。私を聖女にしてくれて、ありがとう。私はずっと、聖女としての力がほしいって、聖女の力で皆を救いたいって思っていた。だから、聖女になれてとてもうれしい。ありがとう、フィーア」

(略)

「どういたしまして、シャーロット。立派に聖女に慣れて、おめでとう。私の想いを尊重してくれて、ありがとう」

 

第一騎士団所属となったフィーアは、大聖女時代に培った魔物の知識と戦闘力の分析技術を飼われて、第四騎士団に派遣されたわけですが。

第四の騎士団長は任務で不在。副団長のギディオンには受け入れてもらえず、別の任務を振られる始末。

その状況を察した第一騎士団長が詰問している場所に、第四の騎士団長が帰って来て、と中々混沌とした状況でスタートするんですよね、2巻。

 

第四騎士団長クェンティンは、相手のエネルギーをぼんやり感じられるという能力があり……その視界では、フィーアの能力もその従魔である黒竜ザビリアの力も感じ取れて、それ故に変な態度になってて、彼の胃がちょっと心配になりました。

帰還早々こんな問題に直面して大変だったね……。まぁそのあとフィーア信奉者になってテンションぶっ壊れた振る舞いが目立つので、最終的には幸せそうでオッケーなんじゃないでしょうか。

むしろ、これまでとのギャップに周囲が振り回されている感。一応フィーアがいない場所では、しっかりとした騎士団長の顔を見る事も出来たりしますけど、ギャップがひどい。

 

今回のポイントだと、フィーアの教えを受けた聖女シャーロットが、能力を覚醒させたことと、その時のやり取りからフィーアの能力に気付き……でも黙っていると約束してくれた事でしょうか。

かつての大聖女としての矜持があるフィーアのことを尊重してくれる、現役聖女が居るのは結構大きな要素になりそうな気がします。例え、今まで落ちこぼれとされていた子であっても。

 

黒竜の目撃情報があり、その存在から魔物の分布が乱れているという話が出て。

元の住み家に帰ってもらうべく、黒竜探索をすることになった騎士団でしたが……想定していたよりも大騒動になっていて草。

当人たちは全く笑う余裕なかったでしょうけど。探索前の騎士団長たちの会話で、「10割の確率で、黒き王に遭遇する」って断言した場面とかは、持ってる情報の差で態度に違いが出てて少し笑っちゃった。なんならもう居ましたからね、あの時。

 

予想より強大な魔物が登場した中で、フィーアが知識を惜しみなく発揮してた場面。

実は簡単に追い払う方法もあるんですよ、と言うトーク。現場の騎士たちから、前回わざとその情報出さなかったな……! とか突っ込まれてましたが、「人間と対峙して生き残った魔物は狡猾になるから、出来るだけ仕留めたい」と言う内心まで吐露してたら、受ける印象も変わったんじゃないでしょうかね。

騎士団総長とかに、支配者の目を持っていると見抜かれているフィーアですが、戦闘関連では本当に覚悟決まってて格好いいなぁ。

 

黒竜ザビリアも、今回の一件で覚悟を一新したようですし。

フィーアの異質さに触れた第六騎士団長ザカリ―が、彼女の秘密を守るための誓いをしてくれたのも良かったですよね。

実際、誓い通りに色々と心を配りながら行動してくれてるのが彼視点で描かれていくので、かなり株を挙げた感じがします。

その問題を共有した騎士団長たちは、頭と胃が痛くなるかと思いますが、多分フィーアが居る限りこれからも新しい問題続々出てくるでしょうから……えーっと、頑張ってください。