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「別に僕は……ただ、生まれ持った境遇に甘えている人間が嫌いなだけだ。運命に屈し、努力を怠る人間もまた怠慢だ。そんなものは覆せばいいし、自分次第でどうにでもなる」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

魔術が存在する地球を舞台にしたファンタジー。

陰陽師として確かな実力があり「天文博士」と言う地位も確立した主人公、土御門晴栄。

ある日、合衆国に設立された現代魔女術を教える学舎での失踪事件の解決に協力してほしいという依頼が土御門家に持ち込まれて。

 

女性のみを対象とした魔女術を教える学舎である故、派遣する人材も女性を希望してきたのは相手方としては当然の要求でしょう。

しかし土御門を代表して派遣される、女性かつ学生として振る舞える年齢として候補に挙がる少女、鴨女は実力は確かながらそれ以外がズボラな性格をしていて。

調査を行うならもっといい人材が居ますよ! と春栄を女装させて送り込むことを提案してきて……なんか通ったらしいですね。

表紙にいる、似た顔の男女は二卵性双生児とかではなくノーマル晴栄と女装バージョンだったわけです。

 

早々に一人に正体がバレてしまうトラブルもありましたが、協力者0よりは状況マシになるでしょうし、結果オーライなのでは。

あとは異国の術士として因縁を付けられて、決闘することになったりと色々目立つ羽目になったりもしていますが。

しっかり状況を見据えて、黒幕に迫ったのはお見事でした。後手に回ったり、思い悩んで足踏みしたりするシーンもありましたけど、有名な術への対策を練った上で学園に入り込んでいたり、術の効きが悪かったらすぐに切り替えが出来たり、戦闘面では本当に優秀なので、総じて頼れる主人公、って感じでしたね。

まだまだ成長の余地は残されてますし、今後に期待できそうです。1巻で、当初の目的だった事件は解決したものの、それで好感をもたれて通学――つまり、女装継続が決定したのはご愁傷様というか。応援してるよ!