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「旅の途中、僕は中原や南の平和な国々を見ました。その豊かな生活に触れました。……なぜ、北だけが。僕はそれが知りたい。そして北の国々に平和を、人々に豊かな暮らしを。それを実現するために僕は北に帰ります」

 

大陸北方では、多くの傭兵団が集い血なまぐさい争いを長年繰り広げていた。

その一方で南方では戦乱の火が絶えて百年以上の時が流れており、北と南では考え方などに様々な差異が生じる事となった。

そんな中、主人公のアルマークは北の傭兵団で生まれ、そこで育てられていたが……ある時彼の父が、南方にある魔法学院の校長を助けた事で、魔術師になるという道が拓かれることになって。

アルマーク自身は北の傭兵としていきたかったようですけど、父に強く推され南へと旅をすることになります。

 

魔術学校とは、魔法の才能があれば出身・身分に限らず教育が受けられ、6年間の学院生活を終えた時に正式な魔術師として認められるという。

校長はアルマークの才能を認め、是非入学してほしいと言ってくれましたが……北の地は荒れ、アルマークも傭兵として戦うことになり9歳になってもすぐに入学は出来ず。

いざ旅立ってからも北から南への旅は長く、金銭的な問題もあってアルマークが学院に辿り着くときには彼は11歳になっていた。

学院に入学できる子供は9歳に限るとかのルールもあるようで、彼は魔法の知識がない状態で3年生に編入されることになって。

 

そこで彼を手助けしてくれる、良い出会いもあったりするわけですが。

中には未熟な彼の存在を快く思わないクラスメイトも居て、突っかかって来たりもするわけです。でも、北で実戦を経験しているアルマークは動じず。

むしろ相手をハメて、「貴族や平民という区分で差別をするな」と誓わせてる辺り強かですね。教員にはちょっと叱られてましたけど。目的は正しいけどやり方が良くなかった、と言うのは、まぁ確かに。絡め手ばっかり覚えても良くないですからね……。

魔術の実技では及ばなくても、武術や暗記科目なんかは得意で少しずつ着実に進んでるのがいいですね。

 

アルマークが入学したてということもあって、まだまだ序章ですがこれからの成長に期待。WEBある程度読んでるんですが、学院祭とかもやるんですよね。その章が最高なので、気になった人は是非そこまで読んでほしい。

巻末には閑話として「不思議な窓」を収録。モーゲンから聞いた「謎の窓」の噂をアルマークとウェンディが確かめる話で、微笑ましかったです。魔法学院らしいエピソードだった。