「わあ! ありがとうございますお嬢様! 私 今日から頑張ります!」
とある乙女ゲーム世界のヒロインに転生した少女が主人公。
彼女は前世において「メイド」にものすごく憧れていたメイド狂いだった。今世では、母一人子一人でつつましく暮らしていたんですが、メイドが実在する世界だったのでいつか就職してやると子供心に頑張っていて。
流行り病で母が亡くなった時に、自分の出生の秘密について明かされたりもしましたが……彼女は、父を頼るのではなく自力でメイドになる道を選んで。
オマケにその時の決意がきっかけで、ゲーム終盤のイベントであるはずの能力覚醒を果たして。
その力でもってゲーム本編ではヒロイン、聖女として活躍するハズなのですが……メイド狂いなセレスティは、この力を活かせば『世界一素敵なメイドも夢ではない!』と暴走を始めることになるわけです。
名前でばれるかもと、メイドになった時にメロディと名前を変える機転はきくのに、あちこち抜けてるから、その内バレそうなんだよなぁ。
まぁそもそもゲームをプレイしてなくて、ゲーム世界だと気付いてなかったりストーリー知識がないというのもありますけど。……知ってても、メイドとして裏方から対処する道を探した気がするので、あまりルートは変わらない気もする。
彼女は夢に驀進出来て幸せだし、その出会いによって寂れた屋敷に住まう令嬢一人を救う事にも繋がるし、良い未来を呼び寄せてるのが良いですね。
セレスティがゲーム知識がない分、ほかにも転生者がいて「ヒロインが現れないと、こういう風に大変になるのに!」と困惑する枠のキャラが居るので、読者目線だと情報もしっかり出てくるので満足感はある。
原作も笑えて好きなんですけど、コミカライズの絵も好みで良かった。
序盤の「わたし頑張ったんだからね!」のドヤ顔とかルシアナが可愛いんですよ。
直後メロディの圧に押されてホールドアップしてるところとか、元々コミカルな作品ですけど、コミカライズでそれがより面白く演出されてる感じがしましたね。