「王の資格はその血だけに宿るものではない。みよ、そこの下僕の凡庸な顔を」
(略)
「王の資格は、そのありかたに宿るのだ」
アスヴァールの争乱が決着することになる巻。
リネットが殺されてしまったのは本当に残念でなりませんでしたが……彼女の来歴とアルトリウスの契約がぶつかってしまったが故の不幸な事故だったようで。
納得できるかと言えば、当然できず。ギネヴィアもしばし落ち込んでいましたが。それでも再起してくれたのは良かったですね。
この戦争において、一番戦功をあげたのはティグルであることに疑いはなく。
けれど彼はあくまで異邦人であり、故郷へと戻って行くことが約束されている。
多くの血が流れた戦が終わった後のことまで考えて、重要な個所を普通の兵士たちに託すことが出来たのは良かった。
……もちろんその分の代償は重く大きいものでありましたけど。
復活した円卓の騎士たちは、精霊契約の縛りがある中で各々の誇りを持っていましたが。
ガラハッドの最期の姿は結構印象的ですかね。生前も破る事はなかった誓約を破って、後を託すのは結構好き。
帯文も「ティグルVSアルトリウス」でアスヴァール編決着、とあるように。魔弾の王の物語、第二部も予定されている(というか積んでる間に刊行もされてる)ので追々読んでいきたいところです。