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「俺も、聖女様と同じです。別に結婚にこだわりはありません。……ただ、大切な人と一緒に居られれば、それだけで十分です」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで10月31日まで。

教皇国において最強の神官と称されたベイル。彼は、単騎で反乱分子の拠点に乗り込んで制圧するなどの難しい任務を達成し続けていた。

そんなある日、聖女候補として稀有な能力を持つ少女が見つかり、年齢が近いことから任務の合間に顔を出し、心の拠り所となって少女が死ぬことがないように監視せよと指示されて……。

 

ベイルは聖女候補ルナの笑顔に絆されてしまい、しばらくは監視任務を続けていたものの、最終的に彼女を連れて他国へ逃げ出すことに。

基本的には、流れ着いた先の村で幸せそうな日々を過ごす2人を眺めることになる話ですね。

ルナが持っている治癒能力が頼りにされている、というのもあるでしょうけど。周囲から見ても両思いなのに、未だ関係定まっていないベイルとルナを生暖かい目で見守っているのが良いですね。

 

ただ、穏やかな日々は続かないというか。

ベイルが薬草を採取しにいった先で魔獣と遭遇して。彼の実力的に問題なく対処できてましたが……。

調査隊が国の命令を聞かずに、北部だけで調査を済ませていたという事情が明らかになって。

勇者と呼ばれる実力を持つギリアンは「北部の方が苦しむ場所が多いから、そっちを優先した」だとか「力がある者はそれを振るってしかるべき」やらルナに「愛人にしてやる」だとか言う輩で、イラッとさせてくるのがお上手だった。

 

「力を持つものの苦悩」とか言うけど、ギリアンもまた視野が狭いというか。ワンマンで対処できる範囲に限りあるんだから、そこまで言うんだったら下も育てていくくらいの事はするべきだろうとか、言いたくなるんだよな。

終盤、大口をたたいたくせに失敗したのを悔いて、迷惑をかけたといえる程度には丸くなった部分もみせましたが。

……ベイルが本気を出した影響もあって、教皇国側でも新しい動きが出てきそうなのが心配ではありますな。ルナと2人で、穏やかにくらしてほしいものですが。まだまだ無理そう。