ico_grade6_2h

「なんだ、残念……。それにマリスさん、非常識とか酷いですよ。そもそも私、魔法はそんなに得意じゃありませんし」

「「「それは嘘だ(です)(でしょう)」」」

 

冬場は休む探索者が多いため、サラサの店も閑古鳥が鳴く有様。

ただ、この時期しか採取できない素材もあるため、無事に生還できれば稼げはするみたいです。

閑散としすぎたのでサラサも金策に動くことにして。直前にアイリスたちの救出作戦で手元の現金や素材のほとんどを吐き出したことも影響してるみたいですけどね。

どうせ来ないなら自分で素材採取にでも行こうか、と考えたところで厄介事がやってくるのがサラサクオリティと言いますか。

 

王子が直々にやってきて、ハゲたから錬金術師の手で発毛剤を作って欲しいとの依頼を持ってきて。

わざわざ辺境の地にまで来たのは、王都で王子が動いて依頼を出すとなると人の目を避ける事は難しいから、と理由付けてましたが。……マスタークラスのオフィーリアを秘密裏に呼び出すことも可能だろうし、彼女がその気になれば気付かれないようにするのも可能だろう、ということで。

 

裏に別の意図があるだろう、というのまでしっかり読み取ってるサラサは新米錬金術師としてはかなり頑張ってますよねー。

借金をした後さらに失敗をして、強制的にレオノーラの弟子という監察処分を受けているマリスというキャラが出てきたので、ますますサラサの優秀さが光りますね。

(実質)主席のサラサとなんとか卒業したマリスでは、差があって当然ではありますが。そもそもマスタークラスの弟子っていう時点で、サラサは色々と例外ですからね……。

 

依頼の品もしっかりと完成させたし、王子の裏の目論みの解決にも寄与しましたが。

……王子がどうにも好きになれないんですよねぇ。いや、王族としては間違ってないんですよね。

無能な貴族は排除して発展する未来につなげたいし、優秀な錬金術師であるサラサを見定める思惑もあったようですし。思ったよりもヨクオ・カークが小物だったせいで、過激な行動にでられて手間が増えてる辺り、見てる方向は正しいけど見積もりが甘い。

 

そして、その甘さに振り回されるのが主人公のサラサなので、どうしたって採点辛くなりますよね。

王子はいくらなんでも嫌がらせされる程度だろうと軽く見てたけど、実際はヨクオはサラサを殺しにかかったわけで。……サラサのスペックが高かったから、問題なく対処できてコントみたいなオチになっただけですからね、アレ。

終盤の地の文でサラサは王子の微妙な陰険さを敬遠してる、と書かれてましたが。……微妙じゃなく普通に陰湿な部分はあると思いますよ。清廉潔白過ぎても国家運営に障りあるでしょうし、素質はあるんだろうけどあまりサラサ巻き込まないでくださいとしか。