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「できる限り……いや。俺のことはともかく、カナデのことは絶対に守るよ。それが、カナデの主としての務めだ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで1231日まで。

ビーストテイマーの能力で偵察や荷運びなどを担当し、魔王に対抗する希望であるところの勇者をサポートしていた主人公のレイン。

しかし、勇者一行は彼のそうした貢献はまったく考慮せず、戦闘時に役立たずだという理由で追放。

装備も回収されたレインは一人、冒険者になることを選び……たまたま、猫霊族のカナデと遭遇。

最強種の一角である彼女と契約を果たしたことで、レインの基礎スペックも向上する事に。

それでも急に得た力におぼれず、冒険者としては新米だからと地道に薬草採取の依頼から始める辺り堅実で良し。

 

カナデと出会った事でレインの物語は急激に動き出すことになります。

竜族や、いまや伝承にのみ名を残す精霊族などなど。最強種と呼ばれる少女達と出会い、契約を交わしていくことで、どんどんパーティーとしてもレイン個人の能力も伸びていくのは頼もしいですけど。

 

……一方でレインを追放した勇者パーティーは、彼に頼り切りだったことで探索に障りが出てきたのに、なおも彼の貢献を認めず。

自分達が苦労してるから、やむなく彼をもう一度だけ迎え入れてやろうじゃないか、みたいな上から目線の態度とれるとか、どんな神経してるんだ。

 

この世界の人々には成長限界があるけれど、勇者にはない。だからこそ、鍛え続けれることで勇者はいつか魔王を倒せる、という貴重な才能ではあるようですけれど。

……だからこそ、勇者の才能を持っている人材にはしっかり苦言を呈せるお目付け役をつけるなりしないと駄目じゃないかなぁ。

傲慢な勇者が自分に逆らった事を罪として「国につきだして重罪人として捕えてもらおうか?」とか言ってる時点で性根が腐り切ってるじゃないですか。これ、魔王倒したところで次の魔王になるだけじゃないですか……?

徹底的に切り捨ててきたのはそっちの方なんだから、もう戻る気はないよと言うレインに一回叩かれた後、恨みを募らせてる時点で色々とダメ。
最強種の少女たちからレインの才能、その可能性について示唆されてるので期待したいところですが、どうなるやら。