ico_grade6_3

「私気づいたんです。――帰りたい場所があるって。会いたい人がいるって」

「そうか。そりゃあよかったな」

「大切な人といっしょにいられる世界が、だれにとってもいちばん幸せな世界だってことに気づいたんです。だからあなたも幸せになってください」

 

雰囲気は結構好きですねー。

SFとしての設定開示をすると同時に、複数キャラへ視点切り替えしていくことで物語が進んで行くので、不慣れだと読みにくさを感じるかも。

とある学者が打ち立てた過去と現在と未来を記述する「神定方程式」。しかしその当時に未来の項を解けるものは存在しなかったため、仲間と共に演算機を作りだして未来へ残した。

 

……そうして作り出された演算機、言語機械である青子ことシスター・ブルーはある時期に狂い、宗教団体を設立し人類に干渉を始めた。

自らの手で人に手を下すことはできないけど、求める結果のために信者を動かしてテロ行為を働くとかもっと厄介なんだよな……。

そんな彼女に見出された未来の破壊者こと、カシマ・キングダム。故あって実家を捨てて新世界へと踏み出し、そこで着実に地位を得ていったようです。

この2人の関係も中々に気になるところですし、彼の存在があったからこそ今回メインで描かれた少女イヴが救われたわけですけれど。

カシマの本領はどちらかというともう少し先になっていくんでしょうね。彼の弟たちへの評価が不穏だったのは少し気になります。

 

あらすじなどで明らかになっていますけど、イヴという少女は未来を観測できる端末としての側面を持っていた。

とはいえ当人にその自覚はなく、白昼夢のように未来の映像を垣間見てしまう状況で。友人に誘われて宇宙港に来た所で、テロに巻き込まれ。逃げ込んだ宇宙船が、容易く連絡のつかない場所に迷い込んでしまう羽目に。

そこまで狙った黒幕の仕業ではあったわけですが。それでも諦めなかった少女達の未来が幸いであって欲しいものですが、さてはて。