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「戦は、未だに怖いです」

「正直で偉いな。実は俺も少し怖い」

「ティグルさんもですか? 竜殺しなのに」

「怖いから、必死になって戦う。生き残るために力を振り絞るんだ」

 

『魔弾の王と聖泉の双紋剣』から一年後を描く新シリーズ。

リムの友人である商人、エリッサが誘拐された。それは彼女の親の出身である南国カル=ハダシュト関係者によるものだと推察され……。

さらに弓の王を名乗るネリーがカル=ハダシュトに向かったと思しき情報まで入って来て。

リムは戦姫エレンの命令を受け、ティグルを伴って異国の地へと赴くことになって。

 

現地では双王と呼ばれる指導者が倒れた事で、王を選ぶ七つの部族の間での抗争が激化しており……。

ティグル達も現地の協力者と接触した時点で、別部族の襲撃を受けることに。そのまま逃走に入るわけですが、現地の狩人から知識の教授を受けてから森に入りたかったと考える辺り、ティグル根っからの猟師だよな……。

戦争の経験も積んでますし、情報を得る度に「この地で戦をするなら」とか考えたり、思考が磨かれてはいますけど。

 

そして運よくエリッサと再会することは出来ましたが。

彼女は彼女で、この抗争から逃れにくい状況に置かれていた。各部族の指導者的な存在である弓巫女に就任する羽目になっていたのだ。

状況に流されつつ出来る範囲の事をして、それはそれとして商人としての利益も最終的には求めようとしてる辺り強かです。そもそもが誘拐されてきてますからね、という言い分は最もなのでなにも言い返せないのよ。

 

ティグル達は出来る範囲で勢力を拡大していってますが……弓の王もなんかおかしな状況になってるし、この抗争の着地点が現状だとさっぱり見えませんなー。

なにか弓の王には弓の王の目的がありそうですし、それ次第で状況は変動していきそう。